1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02232209
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅野 攝郎 東京大学, 教養学部, 教授 (80013499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤谷 秀章 (株)富士通研究所, 半導体研究部, 研究員
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Keywords | 金属半導体界面 / ショットキ-障壁 / NiSi_2 / Si(111)界面 / CoSi_2 / Si(111)界面 / CaF_2 / Si(111)界面 / MIGS |
Research Abstract |
本研究は、金属半導体界面における原子配置まで取り入れた精密な電子構造を第一原理から非経験的に計算し、界面の電子物性を明らかにしようとするものである。具体的には局所電子密度近似法の枠内で、LMTOーASA法を用いて、NiSi_2やCoSi_2の金属シリサイドとSiの界面だけでなく、CaF_2のような絶縁体との界面についても、ス-パ-セルの方法で電子構造の計算を行なった。主な結果は以下の通りである。 (1)実験的にはNiSi_2/Si(111)界面のNi原子は7配位構造をとり,AタイプとBタイプが実現でき、ショットキ-障壁(pタイプ:E_Fー価電子帯の上端)の実験値は7A構造で0.47eV、7B構造で0.33eVである。局所密度近似による計算値は、7A構造が0.34eV、7B構造が0.19eVで、障壁の値そのものは実験値より小さくなっているがAタイプとBタイプの違いはよく一致する。界面のNi原子が7配位でSi側から電子を引き込む傾向にあり、界面のNiと第三近接のSi原子間距離がAタイプよりもBタイプの方が少し小さいため、Bタイプの方がMIGSが少なく、ショットキ-障壁が小さくなっている。 (2)CoSi_2/Si(111)では、界面のCo原子は、5、7、8配位の可能性が考えられるが、計算からは、5配位は不安定である。7配位の場合は、Coの方がより電子を引き込むので(1)の傾向は増大し、ショットキ-障壁の計算値は、Aタイプ0.29eV、Bタイプ0.07eVである。8配位の場合には、界面のSi原子によるダングラングボンドが界面準位を生じ、界面の電子が余り気味でショットキ-障壁はNiSi_2より大きくなり、計算値は、8A構造0.37eV,8B構造0.25eV、T4構造では0.49eVある。実験的には、8配位と考えられており、障壁の大きさは、0.4ー0.6eVと報告されている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 藤谷 秀章: "Schottky barriers at NiSi_2/Si(111) Interfaces" Phys.Rev.B. 42. 1696-1704 (1990)
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[Publications] 久保 康則: "Magnetic Compton profiles of iron and nickel" Phys.Rev.B. 42. 4431-4446 (1990)
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[Publications] 藤谷 秀章: "Electronic structure of epitax:al Silicon interfaces" MRS春期学会プロシ-ディング発表予定.