1990 Fiscal Year Annual Research Report
光検知サイクロトロン芝鳴による結晶界面の基礎物性の研究
Project/Area Number |
02232220
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大山 忠司 大阪大学, 教養部, 教授 (40029715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小堀 裕巳 大阪大学, 教養部, 助手 (90202069)
大塚 穎三 大阪大学, 教養部, 教授 (60029593)
藤井 研一 大阪大学, 教養部, 助手 (10189988)
中田 博保 大阪大学, 教養部, 助教授 (60116069)
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Keywords | 光検知サイクロトロン共鳴 / ニッケル・シリサイド / 磁気相転移 / 電気抵抗 / Hall係数 / 磁化 |
Research Abstract |
<1)ゲルマニウムおよびシリコンに関する光検知サイクロトロン共鳴(ODCR)の結果>___ー n型およびp型のゲルマニウムに関する実験結果より、自由キャリヤ-と束縛発光体との相互作用における衝突解離過程では同種粒子同志の衝突が支配的であることが明確になった。 また、通常のサイクロトロン共鳴にくらべて、ODCRでは正孔の高調波共鳴が極端に強く出ることを観測し、この機構の解明から非平衡正孔の価電子帯内における分布の様子を明確にした。 2)ニッケル・シリサイドの輸送現象とODCRの結果 ニッケル・シリサイドに関する電気抵抗およびHall係数の温度依存性を8ー300Kの間で測定した。試料1はp型Siの上にNiを1000Å蒸着しただけのもので、試料2はそれを800℃で30分間熱処理したものである。この熱処理によって、NiはNiSi_2に変化する。試料1は温度の下降とともに、電気抵抗は直線的に減少し、30K以下で飽和するという典型的な金属の電気抵抗の温度依存性を示す。ところが、試料2では200K付近で抵抗にステップ状の増加が見られる。 一方、Hall係数も同じように200K付近で顕著な飛びが観測された。そこでSQUIDによる磁化の温度依存性の測定を行った。その結果やはり200K付近で常磁性から強磁性への転移と思われる磁化の異常が観測された。このことから電気抵抗やHall係数に見られる異常はおそらく磁気的な相転移と関係しているものと考えられる。今後、これら二種類の試料に関するODCRの実験を行うべく、高純度の試料を準備中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Tomaru et al.: "Observation of Bound ExcitonーFree Carrier Interaction in Ge by Optically Detected Cyclotron Resonance" Proc.20th Int.Conf.Phys.Semiconductors. 630-633 (1990)
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[Publications] T.Tomaru et al.: "Striking Enhancement of Harmonics for Optically Detected Light and Heavy Hole Cyclotron Resonance in Germanium" Phys.Rev.B.
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[Publications] T.Tomaru et al.: "Optically Detected Cyclotron Resonance in Ge and SiーExchange Interaction in Impact Dissociationー" Applied Magnetic Resonance.
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[Publications] 大山 忠司: "サイクロトロン共鳴の光学的検知法" 固体物理. 25. 383-389 (1990)