1990 Fiscal Year Annual Research Report
大面積で高いエネルギ-分解能をもつ硬X線検出器の開発
Project/Area Number |
02234207
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
高橋 保 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (20047137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺本 吉輝 大阪市立大学, 理学部, 講師 (50163928)
中川 道夫 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (40047238)
松岡 勝 理化学研究所, 主任研究員 (30013668)
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Keywords | X線天文学 / 超新星1987A / 硬X線検出器 / ガス・蛍光・ドリフト・チェンバ- / シリコンPIN型フォトダイオ-ド / 高圧キセノンガス |
Research Abstract |
大面積で高いエネルギ-分解能を持つ硬X線検出器としてガス・シンチレ-ション・ドリフト・チェンバ-が最適と考え、この検出器の開発を行った。この検出器は検出器本体と検出器用圧力容器とからなり、本体の構造は一様な電場(500V/cm)のかかった長さ6cmのドリフト領域と、高電圧(7.5kV/cm)が印加された5mmの発光領域と、この光を検出するシリコンPIN型フォトダイオ-ドの集合体とで構成されている。ドリフト領域には本年度に購入した負出力の高圧電源(HV01SN)を使用することによりフォトダイオ-ドへの影響が軽減できた。発光領域は厚さ0.15mm透過率83%のステンレスメッシュ電極2枚がセラミック・スペ-サ-により5mm間隔を保持されている。この検出器にキセノンガスを3気圧充填し、ドリフト領域にー2.5kV、メッシュ電極に+3.5kVを印加して、入射硬X線に対する波高値の比例性、エネルギ-分解能、および検出効率を測定した。たとえば60keVの場合は、分解能は約33%、検出効率は約23%を得た。分解能がまだ充分でないのはドリフト領域が硬X線に対して構造上少し短くなったためであり、目下準備中の気球塔載用の検出器にはこの点を考慮して設計が進められている。一方検出効率やエネルギ-の比例性は期待どうりであった。次に、フォトダイオ-ドの受光量を多くする事がエネルギ-分解能を良くする事につながるので、真空紫外域にも感度を持つシリコンPIN型フォトダイオ-ドを使用することになった。さらに、これらの集合体からの信号を同時に処理して硬X線の入射位置を求めるために、16個の入力を持つ増幅器(NO16)と同数の入力があるクレ-トコントロ-ラ(cc/7000)と、これから得られる信号をマイコンへ導くインタ-フェ-ス(cc/9800ー01)とを購入した。このシステムを制御して硬X線の検出器への入射位置を求めるソフトウエアを完成させた。以上の事から、気球搭載用のチェンバ-への指針が得られた。
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