1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02239104
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
香川 浩 日本医科大学, 医学部, 講師 (70103968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 喜則 麻布大学, 教養部, 講師 (10167554)
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Keywords | 筋収縮 / 滑り運動 / ミオシン / アクチン / 分子間力 / ファンデルワ-ルス力 / 光干渉計 |
Research Abstract |
筋収縮などの滑り運動をひきおこすミオシン分子とアクチン分子の相互作用力の性質を,その力の大きさの距離依存性を測定することによって,研究することを考えた。研究の方法は実験による実測を主体にし,分子間力の観点からの理論的アプロ-チも実験を補助する手段として用いた。 ミオシンーアクチン分子間の力の大きさの測定方法は今世紀中期にファンデルワ-ルス力の測定に用いられたものを採用することにし,測定装置の設計を行った。現在では原子(分子)間力を顕微方法として用いることができる原子間力顕微鏡というものがある。この方法の改良応用を考察してみた結果,われわれの目的とする力の距離依存性の測定にすぐに応用することは不可能であることがわかった。測定装置は次のような構成になっている。力の大きさはとりあえず電子天秤を用いて測定する。ミオシン分子とアクチン分子はそれぞれ別の石英平板あるいはガラス平板に固定し,これらを液槽の中に入れる。2枚の平板間の距離は粗動ステ-ジと微動のためのピエゾ・アクチュエ-タを用いて変える。平板間の距離の測定はレ-ザ-光を用いた干渉計によることにした。距離は数十ナノメ-タから千ナノメ-タの範囲で変化させることを考えたため,光干渉計の有効性の検討は今年度中に終了しなかった。 今年度は各部品の性能検査および測定装置の基本設計を終え,製作の途中で終わった。測定装置の細部の調整や実際の力のこの装置による測定の可能性の検討は来年度以降に延びた。理論的アプロ-チとしては,相互作用する物体の形状を考慮に入れたファンデルワ-ルス力の大きさを求める式を導くことを試み,このための一般化形式を考案した。具体的形状を定めたときの結果はまだ導いていない。ミオシン分子とアクチン分子はMgーATP,KCl,Ca^<2+>などの電解質溶液中で相互作用を行うので,電解質溶液中の電位についても研究を行った。
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Research Products
(1 results)