1990 Fiscal Year Annual Research Report
GABA作動性シナプスにおける前シナプス性オ-トレセプタ-の特性と機能の解析
Project/Area Number |
02241211
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
栗山 欣弥 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (20079734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 恒一 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (00172867)
大熊 誠太郎 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (30152086)
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Keywords | GABA放出調節 / 大脳皮質 / GABAニュ-ロン / GABA_Aレセプタ- / ムスカリン性M_1レセプタ- / 前シナプス性オ-トレセプタ- / 前シナプス性ヘテロレセプタ- |
Research Abstract |
抑制性神経伝達物質であるγーアミノ酪酸(GABA)のシナプス性放出の調節機構について、ラットの大脳皮質切片を用いて解析を試みた。50mMのKClにより誘発される刺激反応性[ ^3H]GABA放出を指標とし、反応液中に諸種の受容体作働薬を添加して、それらの薬物のGABA放出に対する影響から、前シナプス性オ-トレセプタ-又はヘテロレセプタ-の特性について検討した。 1)GABA_Aレセプタ-のアゴニストの一種であるムシモ-ルは、用量依存的に刺激反応性[ ^3H]GABA放出を抑制したが、GABA_Bレセプタ-のアゴニストであるバクロフェンは影響を与えなかった。また上記のムシモ-ルの抑制効果は、GABA_Aレセプタ-のアンタゴニストであるビククリンで拮抗された。従って、GABAニュ-ロンの前シナプス部に存在するオ-トレセプタ-は、GABA_Aレセプタ-であると判断した。 2)刺激反応性の[ ^3H]GABA放出は、同時にコリン作働薬であるカルバコ-ルにより用量依存的に抑制された。またこのカルバコ-ルの抑制作用は、ムスカリニック・レセプタ-のアンタゴニストであるアトロピンのみならず、選択的なM_1レセプタ-のアンタゴニストであるピレンゼピンで拮抗されたが、M_2レセプタ-のアンタゴニストであるAFーDX116、あるいはM_3レセプタ-のアンタゴニストである4ーDAMPでは拮抗されなかった。従ってM_1アセチルコリン・レセプタ-が、前シナプス性へテロレセプタ-として機能しているものと判断した。 3)ノルアドレナリン、イソプロテレノ-ル、ド-パミン、セロトニン、ヒスタミン、グルタミン酸などは刺激反応性[ ^3H]GABA放出には、影響を与えなかった。 以上の研究結果より、GABAのシナプス性放出は、GABA_Aレセプタ-及びM_1レセプタ-により活性調節を受けているものと考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Zhu,T.Hashimoto,M.Katsura and K.Kuriyama: "Modulation of γーaminobutyric acid(GABA)release from cerebral cortical neurons by presynaptic GABA_A and muscarinic M_1 receptor" Proc.6th Southeast Asian/Western Pacific Meeting of Pharmacologists. (1991)
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[Publications] 栗山 欣弥,廣内 雅明: "Cl^ーチャネルと中枢抑制機能" 代謝. 27. 233-240 (1990)
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[Publications] 栗山 欣弥,廣内 雅明: "GABAレセプタ-" ブレインサイエンス. 1. 171-178 (1990)
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[Publications] 栗山 欣弥,田口 淳一: "薬の作用とGABAレセプタ-" Brain Medical. 2. 35-44 (1990)
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[Publications] 栗山 欣弥,廣内 雅明,大森 敬之: "GABA受容体" 精神神経薬理. 13. 27-30 (1991)
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[Publications] 栗山 欣弥: "神経伝達物質の代謝と機能" 老年精神医学雑誌. 2. 243-254 (1991)