1990 Fiscal Year Annual Research Report
花成刺激の性質究明とそのバイオアツセイ系の確立に関する研究
Project/Area Number |
02242201
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
管 洋 東北大学, 遺伝生態研究センター, 教授 (00124587)
|
Keywords | 花成刺激 / バイオアツセイ / シソ / 接木実験 / 誘導葉 / 液体高速クロマトグラフイ / 二次代謝物 |
Research Abstract |
短日植物のシソは、誘導葉を非誘導の受容植物に接木すると、後者に開花を誘導することができる。この系を用いて、誘導葉を接木する代りに1)デイスポ-ザル・シリンジに検定液を入れ茎の切断面に挿入する, 2)パスツ-ルピペットに検定液を入れ茎の切断面に挿入する, 3)ガラスチュフブを茎に装着し茎の切断面に脱脂綿に含ませた検定液を与える、 4)茎の切断面の脱脂綿に含ませた検定液を与える などの方法をバイオアツセイ法として用いた。また、上記の1)〜4)の方法において、減圧後急速に常気圧に戻して検定液を植物体に強制的に取り込ませる試みも行った。 次にいろいろな誘導条件を与えた時の、シソ体内の低分子二次代謝物質の変動を高速液体クロマトグラフィ法により検討した。16時間暗期を6,9,12,15,18回与えた植物の葉で検討したところ,9回誘導処理で,これら物質のピ-クが明らかに低下した。この植物は,6回の誘導処理では花芽分化せず、9回の誘導処理で花芽が分化した。 誘導して花の咲いている植物から採った誘導葉を、非誘導植物に接木すると,非誘導の受容植物は約30日後に肉眼で可視の花芽をつける。この系を用いて、誘導葉を非誘導植物に接木し,10日目,20日目に台木の非誘導植物受容体に残した一対の受容芽について,上と同じ分析を行ったところ、10日目の受容芽で上記の低分子二次代謝物のピ-クの低下が認められた。しかし、非誘導葉を接木した場合には,この低下は認められなかった。接木20日目には上記のピ-クの低下に元のレベルに戻った。接木10日目は、組織がちょうど愈合を終了した時期で,花成刺激が供与体から、受容体に到達はしているが、受容体に花芽の分化はまだ起っていない時期であろうと思われる。
|
Research Products
(1 results)