1990 Fiscal Year Annual Research Report
トランスジェニック植物の後代における遺伝子発現解析
Project/Area Number |
02242203
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
内宮 博文 北海道大学, 理学部, 助教授 (50142229)
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Keywords | タバコ / 形質転換 / カナマイシン / ハイグロマイシン / イネ / アグロバクテリウム / エレクトロポレ-ション / DNA |
Research Abstract |
本研究は、遺伝子導入により植物個体に組み込まれた外来遺伝子の安定性ならびに染色体上での連鎖に関する基礎的知見を得る目的で行われた。 タバコやイネを用い様々の外来DNAを導入した。用いた遺伝子は、カナマイシン耐性(NpTーII)、ハイグロマイシン耐性(HPT)の各遺伝子である。さらに、Riプラスミドのholc遺伝子も用いられた。タバコの場合、エレクトロポレ-ションあるいは、アグロバクテリアを用いた導入法によった。以上の手法によりトランスジェニック植物個体を得た。さらに、後代を育成し、交雑により連鎖分析の材料を得る事が出来た。 形質転換したタバコより、自殖あるいは野生株の戻し交配により種子を得た。その様な種子をカナマイシン(200〜400mg/l)を含んだ培地に蒔き、1〜2週間後に耐性・非耐性の個体数を測定した。その結果、自殖により得られた種子はほとんどの場合3:1に分離し、戻し交配では1:1となった。この事は、導入されたNpTII遺伝子は対合する染色体上の一方にのみ存在し、メンデル遺伝子するものと思われる。導入された外来DNAは、6世代まで、安定に遺伝した。得られたトランスジェニック植物を用いて外来DNAの存在様式を明らかにし、遺伝解析を行った。その結果、使用したベクタ-の一部のみがタバコゲノム中に組み込まれていることが判明した。さらに、2つの系統を用いて連鎖分析を行った。すなわち、もし、外来遺伝子が同じ染色体上の異なる部位、もしくは、異なる染色体上に導入されていれば、形質転換植物間の後代は、優性ホモ:ヘテロ:劣性ホモ=1:2:1に分離し、耐性と非耐性が3:1に分離する。 本研究においては、その後代における分離比から判断して、導入されたDNAは、各々異なった染色体上に存在することが示された。 一方、rolCを保持する個体の後代を分析した所、本遺伝子がタバコの開花を約1ヶ月間促進する事が判明した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kanaya,K: "Specific binding of nuclear protein from tobacco hairy roots cultured in Vitro to a 5ー^^′upstream region of the rolC gene of the Ri plasmid" Plant Cell Physiol.31. 238-241 (1990)
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[Publications] Oono,Y: "Early fowering in transgenic tobacco plants possessing the rol C gene of Agrobacterium rhizogenes Ri plasmid" Jpn.J.Genet.65. 7-16 (1990)
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[Publications] Fujii,N: "Conditions favorable for the somatic embryogenesis in carrot cell culture enhance expression of the rolC promoterーGUS fusion gene" Plant Physiol.95. 238-241 (1991)