1990 Fiscal Year Annual Research Report
イネミトコンドリアDNAの構造解析による雄性不稔機構の解明
Project/Area Number |
02242209
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大山 莞爾 京都大学, 農学部, 教授 (40135546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 文彦 京都大学, 農学部, 助教授 (10127087)
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Keywords | ミトコンドリア / イネ / DNA / リボソ-ムRNA / 雄性不稔 / ATPase / チトクロ-ムオキシダ-ゼ / 遺伝子バンク |
Research Abstract |
本研究は、イネ(雄性不稔株、稔性株)の培養細胞よりミトコンドリアDNAを単離し、コスミドベクタ-による全ミトコンドリアDNAバンクをつくり、種々の制限酵素の切断地図を作成ならびに遺伝子座位を決定すること、雄性不稔株、稔修株由来のミトコンドリアDNAにみられるrecombinationによる特定の遺伝子のrearrangementを決定することを目的とする。昨年度はイネ雄性不稔培養細胞からミトコンドリアDNAを調製し、コスミドベクタ-にクロ-ニングを試みた結果、ミトコンドリアDNA分子の90%をクロ-ン化、その制限酵素地図を作成することができた。今年度は、引続き、1.残りのDNA断片をクロ-ン化するために、さらに<Bam>___ーHI制限酵素による部分分解物のコスミドベクタ-へのクロ-ン化、2.コスミドベクタ-による全ミトコンドリアDNAの遺伝子バンクの作成、3.種々(<Xho>___ーI,<Sma>___ーI,<Kpn>___ーI,<Bam>___ーHI等)の制限酵素切断地図を作成した。4.稔性株ミトコンドリアDNAより、制限酵素切断片の電気泳動図において、雄性不稔性株と異なるDNA断片をクロ-ニングした。その結果、1.種々のミトコンドリア遺伝子、すなはち、リボソ-ムRNA(5S,18S,26S)遺伝子、ATPaseαサブユニット遺伝子、チトクロ-ムオキシダ-ゼサブユニット(I、II、III)遺伝子座位をサザンハイブリダイゼ-ションにより、制限酵素切断地図上に位置づけた。2、さらに、雄性不稔性株、稔性株のミトコンドリアゲノム構成の違いを明らかにし、雄性不稔性株、稔性株より得られる異なるDNA断片上の遺伝子座位を明らかにした。来年度は、Recmbinationにより生じた遺伝子発現制御を明かにするため、rearrangementを起こしている遺伝子近傍の塩基配列を決定し、雄性不稔性の要因を解明する。
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Research Products
(1 results)