1990 Fiscal Year Annual Research Report
利根川水源流域における河川開発に伴う流況変化と自然流況の復元
Project/Area Number |
02243208
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
虫明 功臣 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (50011060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沖 大幹 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (50221148)
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Keywords | 利根川水源流域 / 河川開発史 / 流況曲線 / 気候変動 / 気象.水文資料 |
Research Abstract |
利取川水源流域が調査の便宜上、利根川本川上域(鳥川,神流川を含む八斗島地点上流,5114km^2)と渡良瀬川・鬼怒川流域の2つに分けられる.本年度は,利根川本川上流域を対象とした。調査・研究の要点は以下の通りである. 1.水力開発.多目的ダムの建設,各種用水開発等の経緯に関する文献資料を収集し,明治以後現在に至るまでの河川開発史年表を作成した本川上流域では現在までに.ダム36,水力発電所56,農業用水(かんがい面積10ha以上で水利権水量0.5m^3/s以上のもの)は河川取水299,地下水取水8,上水道用水は河川取水139,地下水取水108の開発が見られる. 2.明治以後現在に至る間に対して,雨量,流量,河川開発施設の諸元と運用等に関する水文資料が広汎に収集された。 3.利根川本川岩本地点(1670Km^2)と八斗島地点において,河川開発に伴う流況曲線の変化が分析された。それによると、岩本地点では近年の多目的ダムの建設によって低水流量(275日流量)以下の流量はかなり増強されているが、平水量(185日流量)以上では年年変動の影響の方が大きく貯水池による流量調整の効果が顕著ではない.また,八斗島地点では流況全般にわたって開発の影響がほとんど検出できない.この観測点では低水流量の精度があると考えられ,今後利根大堰地点との相関解析等によって改善を図る必要がある. 4.利根川上流域では,近年少雨傾向にあることが、長期間継続している雨量観測所の雨量資料の分析から明らかになった。河川開発という人為的影響だけでなく.こうした気象・気候的要因の変化が流況変化の評価に取り入れる必要がある.
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Research Products
(1 results)