1990 Fiscal Year Annual Research Report
1キロメッシュを基準にした日照時間および全天日射量の分布
Project/Area Number |
02243216
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
寶月 拓三 熊本大学, 文学部, 講師 (90190181)
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Keywords | 可照時間 / 日照時間 / 全天日射量 / 国土数値情報 / 1キロメッシュ / メッシュマップ / 土形効果 / 日本列島 |
Research Abstract |
本研究班の目的である『原環境の復元』に沿って、本研究では、国土数値情報と同じ1キロメッシュ単位で日本列島のほぼ全域を対象に、日照時間と全天日射量の月別平均値を算定し、1キロメッシュ精度でそれぞれ図的に表現することを目的とする。本研究では、太陽と地球の天文学的位置関係にとどまらず地形をも考慮して1キロメッシュ毎の可照時間を求めることを平成2年度の目的とした。次年度以降には1キロメッシュ毎に、この可照時間、AMeDASの日照時間観測値と気圧配置型を基礎にして月別日照時間の平年値を算定し、さらにこの日照時間等から全天日射量を算定することによって、上述の精度上の要求を満たす予定である。従って、本年度に求める可照時間は本研究における基礎資料として位置づけられるものである。なお本研究では太陽の中心が地形により遮断される時間を除いて可照時間とする。実際には、太陽と地球の天文学的位置関係ならびに地表面の傾斜角と傾斜の方位を基にして、月毎の各メッシュの可照時間を求めた(なお毎月15日の値をもってその月の平均値と見なす)。計算に必要な各メッシュ毎の斜面の傾斜角、斜面の方位角は、国土数値情報フィイルに依つた。なお、南西諸島などの島巉部を除いて358,598個の1キロメッシュについて解析した。なお分布図以外に,地形による可照時間の短縮に関しても解析した。3月から9月まで期間は17万メッシュ以上で1時間未満の短縮であり、6時間未満の短縮時間にほぼ95%以上のメッシュが該当する。それに対して冬季、とりわけ12、1月では1時間未満の短縮への集中は相対的に弱く、また9〜10時間の短縮をはじめとして、短縮時間が大きいメッシュの頻度が相対的に多くなる傾向がある。北向き斜面の頻度が非常に高く、なおかつ北向き斜面では冬季に可照時間が短縮されることと整合するが、地形の効果が概して冬季により強く現れていることが判った。
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