1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02246102
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
熊沢 峰夫 東京大学, 理学部, 教授 (60022571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入船 徹男 愛媛大学, 理学部, 助教授 (80193704)
木村 龍治 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (20013576)
深井 有 中央大学, 理工学部, 教授 (80055136)
栗田 敬 筑波大学, 地球科学, 助教授 (00111451)
藤井 直之 神戸大学, 理学部, 教授 (60011631)
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Keywords | 核形成 / メタル・シリケイト分離 / 分配 / 初期地球 / 組成対流 / 相分離 / 中心核のエネルギ-バランス |
Research Abstract |
研究は 1.物質科学的アプロ-チ,2.流体力学実験のアプロ-チ,3.コンピュ-タシミュレ-ションアプロ-チ の3つの異なった手法,立場から地球中心核の形成プロセス,エネルギ-バランスの問題に取り組んだ。1では従来の実験装置を使用して核の形成プロセス(鉄ー揮発性元素の反応や鉄・シリケイト間の元素分配)を研究した。鉄ー水系。鉄ー炭素系の反応が高温高圧下で進行しうることが明らかにされ外核での軽元素の候補としてあげられた。コンピュ-タシミュレ-ションによる初期地球の環境(原始大気組成や温度)下では水,炭素ともに鉄(コア起源物質)との反応がおこりえることが示された。又高圧実験とSIMS分析を連結した共同研究がスタ-トしメタル・シリケイト間の元素分配のデ-タが得られ始めている。流体力学的アプロ-チでは外核での対流運動は軽元素の濃集や固相鉄の析出によって駆動されている(このような対流を組成対流と呼ぶ)との認識から相分離をおこす系の対流が研究対象に選ばれた。1つは泡発生によって駆動される対流の研究であり 実験的研究からは通常の熱対流とは異なったスケ-ルが出現すること,Ra数と対流パタ-ンなどの関係が明らかにされた。又このような系は成層構造をつくるがこの成層構造の界面部の熱境堺層からのプリュ-ムの発生が調べられ 成層構造の粘性率の比が重要なコントロ-ルパラメ-タ-であることが明らかにされた。コンピュ-タシミュレ-ションによりこの熱境界層からのプリュ-ムの発生と熱輸送の様子が調べられた。これは外核内の成層構造場での対流運動や核・マントル境界からのマントルプリュ-ムの形成に関連した問題である。間ケツ的なプリュ-ムの発生が生じることが明らかにされた。計画研究の初年度にあたり本年度は長期的展望のもとに問題の設定,作製に努力がはらわれ次年度以降の研究に継続されるよう配慮がなされた。
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[Publications] M.Kumazawa,et al.: "A theory of spectral analysis based on the characterisfic property of a linear system" Geophysical J.Int.101. 613-630 (1990)
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[Publications] Matsuura,T.,Imanishi,Y.,Imanari,M.,Kumazawa,M.: "Application of a new method of high resolution spectral analysis" Appl.Spectroscopy. 44. 618-626 (1990)
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[Publications] T.Nakano,N.Fujii: "Multiphase grain control percolation" J.Geophys.Res. 91. 15653-15661 (1990)
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[Publications] T.Irifune et al: "Phase transformation in diopside" Geophys.Res.Lett.16. 187-190 (1989)
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[Publications] 藤井 直之・中野 司・伊東 敬祐: "部分溶融体中の液相分布" 火山. 35. 27-40 (1990)
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[Publications] 栗田 敬: "再び“火山の根"について" 火山. 34. S3-S10 (1990)