1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02246103
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井田 喜明 東京大学, 地震研究所, 教授 (30013535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉木 賢策 東京大学, 海洋研究所, 教授 (50188421)
巽 好幸 京都大学, 理学部, 助手 (40171722)
渋谷 和雄 国立極地研究所, 助教授 (80132710)
佐藤 忠弘 国立天文台, 助教授 (10000176)
大江 昌嗣 国立天文台, 教授 (00088783)
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Keywords | 核・マントル境界 / 超伝導重力計 / 南極 / 気象補正 / ホットスポット / シヤツキ-ライス / マントル上昇流 / Dupal異常 |
Research Abstract |
研究目的としてとりあげた3つの課題に対応して,得られた成果を以下に要約する。 1.力学的な観測に関しては,南極に設置するための超伝導重力計を購入し,その性能とデ-タ解析法を詳しく調べた。中心核の構造を解明するためには,自由コア章動やアンダ-トンをとらえる必要があるが,このような高精度観測には,気象補正などが必要なことが分かった。気象補正のために,用いるデ-タや補正の方法について研究が進み,実用化の見通しを得た。一方,超伝導重力計を南極に設置する上で,整備すべき条件が検討され,難題であった液体ヘリウムの供給法について,実現可能な方法が見出された。 2.ホットスポット火山物質に関しては,物質科学的なデ-タの蓄積が進み,マントルにおける物質移動との関連で考察が始まった。それと同時に,地形,地磁気,重力など,海底における観測デ-タが,この問題の解明に役立つことが認識され,デ-タベ-ス化を推進した。その応用として,西太平洋海底のシヤツキ-ライズについて,活動史がたどられ,それがホットスポット起源であることが見出された。 3.理論的な研究に関しては,核・マントル境界で発生するマントル上昇流の形態について,様々な事実を整理して,モデル化に向けて研究が始まった。同位体比にDupal異常が見られることや,洪水玄武岩のような激しい火山活動が過去に存在した事実などから,マントル上昇流が非定状である可能性を指摘するに至った。
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[Publications] 大江 昌嗣,佐藤 忠弘,渋谷 和雄,中川 一郎: "超伝導重力計を用いた南極での観測計画" 重点領域研究「地球中心核」1990年度報告. (1991)
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[Publications] 佐藤 忠弘,田村 良明,菊地 直吉,内藤 勲夫: "全球気圧変化の重力観測への影響" 重点領域研究「地球中心核」1990年度報告. (1991)
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[Publications] 渋谷 和雄: "昭和基地における超伝導重力計連続観測" 重点領域研究「地球中心核」1990年度報告. (1991)
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[Publications] 巽 好幸: "初期地球におけるメイジョライトの分別 ーハワイ玄武岩からの証拠ー" 重点領域研究「地球中心核」1990年度報告. (1991)
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[Publications] 玉木 賢策: "ホットスポット軌跡のグロ-バル解析" 重点領域研究「地球中心核」1990年度報告. (1991)
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[Publications] 井田 喜明: "マントル上昇流とホットスポット火山" 重点領域研究「地球中心核」1990年度報告. (1991)
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[Publications] 井田 喜明,大江 昌嗣,佐藤 忠弘編: "nGalで見る地球" 国立天文台・水沢観測センタ-, 82 (1990)