1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02247205
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川島 隆幸 東京大学, 理学部, 講師 (80011766)
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Keywords | 高配位リン化合物 / 光学活性チオホスフィナ-ト / スズーリチウム金属交換反応 / 立体保持 / オキシドホスホラン / 疑似回転 |
Research Abstract |
1.オキシドホスホランの発生と挙動についてであるが、まず、光学活性1ーナフチルフェニルチオホスフィン酸(<1a>___ー)およびtーブチルフェニルチオホスフィン酸(<1b>___ー)を文敵に従って合成し、トリエチルアミン存在下、ヨウ化トリブチルスタニルメチルと反応させることによって、光学活性なSートリブチルスタニルメチルチオホスフィナ-ト(<2a,b>___ー)をそれぞれ82および76%の収率で得た。次に、<2a>___ーのラセミ体をテトラヒドロフラン中、ー78℃でメチルリチウムと反応させ、スズーリチウム金属交換させたところ、生じたカルバニオンはリン上を攻撃して三員環オキシドホスホラン(<3a>___ー)を中間に与え、<3a>___ーは速やかに転位後、ヨ-ドメタンでメチル化されて、メチルチオメチル(1ーナフチル)フェニルホスフィンオキシド(<4a>___ー)を80%の収率で与えた。同時に、<3a>___ーから脱硫後プロトン化して生成したと思われるメチルー1ーナフチルフェニルホスフィンオキシド(<5a>___ー)と<3a>___ーのメチレン基がナフタレン環に1,3ー転位した後生成したと思われる化合物も若干量生成した。同条件下、光学活性体<2a,b>___ーは光学活性体<4a,b>___ーを与えた。(ー)ー(S)ー<1b>___ーからの生成物(ー)ー<4b>___ーはエタノ-ル中RaneyーNi還元により、(+)ー(R)ー<5a>___ーを与えたので、転位はリン上の立体を保持して進行したことが分かった。従って、3__ーは擬似回転できる程の寿命がなかったと思われる。2.次年度の課題に関係する1,2ーオキサホスフェタン2ーオキシド構造を持つとして報告されていた化合物2ーシクロヘキシルー3,4ージフェニル体(6___ー)と2,3,3ートリフェニル体(7___ー)はNMRや化学的挙動の検討から、それぞれ非環式二級ホスフィンオキシドおよびベンゾキサホスホリン構造であることを明らかにした。
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[Publications] T.Kawashima: "Revised Structure of 2ーCyclohexylー3,4ーdiphenylー1,2ーoxaphosphetane 2ーOxide" Bull.Chem.Soc.Jpn.64. 711-712 (1991)
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[Publications] T.Kawashima: "The Correct Structure of Cyclic Adducts of CD iphenylーmethylene)oxophenylphosphorane with Aromatic Aldehydes" Bull.Chem.Soc.Jpn.64. 713-715 (1991)
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[Publications] T.Kawashima: "The Wittig Rearrangement of Chiral Phosphinothioates Induced by the Tinーlithium Transmetallation"