1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02248201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
上田 哲男 北海道大学, 薬学部, 助教授 (20113524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 健司 北海道大学, 薬学部, 助手 (80183953)
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Keywords | 知覚 / 粘菌 / アメ-バ運動 / 自律分散 / 化学振動 / リン脂質 / 紫外線 / 位相波 |
Research Abstract |
粘菌は、アメ-バ様の原始的な細胞であるが、統合・協調の取れた知覚行動をおこなっている。この細胞システムにおける情報判断と伝達のメカニズムを物理・化学的に解明するのが本プロジェクトの目的である。 本年度は、以下の点を明らかにした。 (1)動画像処理法を用いて粘菌の行動を解析したところ、情報伝達が細胞内振動子の位相波の伝播によってなされていることを見いだした。 (2)細胞骨格と細胞内ATP濃度の分布と比較したところ、ATP濃度が低いところで細胞骨格が多く形成されることがわかった。 (3)可視光および紫外線照射に対する細胞内化学成分の変動、振動におよぼす影響を解析し、光逃避反応の細胞内情報伝達機構を明かにした。 (4)情報理論を用いて、細胞内振動子相互の相関を解析した。細胞の移動速度と細胞全体にわたる相関の大きさが対応していることがわかった。 (5)細胞内のリン脂質濃度分布を測定したところ、細胞行動の方向性の発現に対応して、リン脂質の分布も極性をしめすことがわかった。 以上のことから、化学パタ-ンの自己組織化が細胞行動の原因であることが推測される。また細胞運動は、システムのオ-ダ-パラメ-タ-になっていることが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ueda,T.,Nakagaki,T.and Yamada,T.: "Dynamic organization of ATP and birefringent fibrils during free locomotion and galvano taxis in the plasmodium of Physarum polycephalum." J.Cell Biol.110. 1097-1102 (1990)
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[Publications] Ueda,T.: "Photosensory transduction in the slime mold Physarum polycephalum." Trends in Photochem.Photobiol.1. 25-29 (1990)
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[Publications] Kobatake,Y.,Ueda,T.and Matsumoto,K.: "Phase wave and perception of amoeboid cells.In“Biosensors and Biocomputers",ed.F.Hong," Plenum Press., 8 (1990)