1990 Fiscal Year Annual Research Report
内部モデルを用いたセンサフュ-ジョンシステムの研究
Project/Area Number |
02248203
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石川 正俊 東京大学, 工学部, 助教授 (40212857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 直史 東京大学, 工学部, 助手 (20223159)
藤村 貞夫 東京大学, 工学部, 教授 (30010961)
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Keywords | センサフュ-ジョン / 内部モデル / 自律分散 / 並列処理 / トランスピュ-タ |
Research Abstract |
センサフュ-ジョンの研究は,複数のセンサからの情報に対し,heterogeniousでmultimodalな感覚情報処理系を構成し,柔軟性・信頼性の高い自律分散型の認識判断機構を実現することを目指した研究である. 本研究は,このようなセンサフュ-ジョン技術を自律分散システムとして構築することを目的としている.本年度は,センサフュ-ジョン構造を記述する手法として,対象の内部モデルを利用する方法を提案し,それを実現するための道具として,並列処理用プロセッサであるTransputer並びにその専用記述言語であるOCCAMを導入したシステムを構築した.このシステムは,自律分散型センサ情報処理を高速・リアルタイムで実現したものである. 具体的には,複数台のTransputerを用いて,複数の視覚(CCDカメラ及び半導体位置検出器[PSD])と運動系(XYレコ-ダ-)の融合を目指したセンサフュ-ジョンシステムを試作し,内部モデルに基づいた新しい処理アルゴリズムを実現した.このアルゴリズムはセンサ情報間に何らかの写像関係を定義し,内部モデルとしてその写像関係を学習することにより,フュ-ジョン構造を実現するものである. 試作したシステムを用いて,2次元の対象物のエッジをトレ-スする(形状の認識)実験を行った結果,センサフュ-ジョンを実現した方法では,CCDカメラのみ,あるいはPSDカメラのみを用いた方法では実現することのできない性能が得られることがわかった.また,このようなシステムでは,自律分散型の処理が本質的な役割を担っていることが実験的に示された.
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[Publications] 高橋 昭彦,石川 正俊: "物理ネットワ-クによる内部表現を用いたセンサフュ-ジョン" 計測自動制御学会論文集. 26. 803-810 (1990)
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[Publications] 赤松 幹之,石川 正俊: "形状知覚における視ー触覚統合過程の解析ー感覚統合と能動性の関係ー" バイオメカニズム. 10. 23-32 (1990)
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[Publications] 石川 正俊: "センサフュ-ジョンの課題" 日本ロボット学会誌. 8. 735-742 (1990)