1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02250214
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
関根 光雄 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (40111679)
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Keywords | なげなわ構造 / スプライシング / イントロン / 分岐構造 / RNA / 脱保護 / リン酸化 |
Research Abstract |
真核生物のmRNAガスプライシングにより不用部分であるイントロンを切除する際;イントロンは投げなわ構造となって切除される。本研究ではこの投げなわ構造が生化学的にどのような意味をもっているのか調べるため,その化学合成を目的にするものである。このため,まず我々は分岐部位のヌクレオシドであるアデノシンの2'水酸基の選択的リン酸化反応と第2のリン酸基を3'水酸基に導入し分岐ヌクレオチド部位の合成ユニットを合成することを検討した。その結果,2'水酸基へリン酸基を導入するため,立体的にかさ高いtーブチル基を選んでアミダイト試薬を経て導入することを種々検討し,ビス(tーブトキシ)ジエチルアミノホスフィンを試薬として用いると収率よく導入できることがわかった。このビス(tーブトキシ)ホスフィニル基は3',5'ー環状シリルエ-テル型のHF/ピリジン系による脱保護条件下安定であることがわかリ,3',5'フリ-の水酸基をもつ2'(tーブトキシ)ホスフィニルアデノシン活導体を得ることができた。そこで,さらに5'をトリチル化,3'位をビス(フェニルチオ)ホスフィニル化をおこない分岐点の合成ユニットを収率よく得ることができた。つぎに2'ー方向へのRNA鎖の伸長のため,2'ー(tーブトキシ)ホスフィニル基をTMSーTriflateで処理し,選択的にtーブチル基を除去することができた。そこで,さらに2'ーフリ-のリン酸基をシアノエチル化し最終的に2',3',5'方向にすべて鎖長伸長可能な分岐点合成ユニットを合成することができた。そこで,この合成ユニットからトリエチルアミンで処理し選択的にシアノエチル基を除去し,2'ージエステル体に誘導し,ヌクレオシド誘導体と脱水縮合反応を種々検討し,2'ー5'結合をもつ2量体を得ることができた。現在さらに3'位のフェニルチオ基と5'位のDMTr基を選択的に除去しRNA鎖を3'および5'方向に伸長することを検討している。
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[Publications] Sekine and T.Nakanishi: "Facile Synthesis of 3'ーOーMethylthymidine and 3'ーDeoxyーthymidine and Related Deoxygenated Thymidine Derivative" J.Org.Chem.55. 924-928 (1990)
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[Publications] R.Iwase: "Synthesis of N^2,N^2ー7ーTrimethylguanosine Cep Derivatives" Nucleic Acids Res.17. 8979-8593 (1990)
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[Publications] M.Sekine and T.Satoh: "Chemical Synthesis of the 5'ーTerminal U1 RNA" Nucleic Acids Symposium Series. 22. 11-12 (1990)
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[Publications] M.Sekine: "Chemical Synthesis of Branched Ribonucleotides" Bull.Chem.Soc.Jpn.64. 588-601 (1990)
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[Publications] M.Sekine: "Convenient Method for the tーButyl Group from Nucleoside Bis(tーbutyl)Phosphate under Nonーbasic Conditions" Tetrahedron Lett.32. 395-398 (1990)
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[Publications] M.Sekine and T.Nakanishi: "Oligoribonucleotide Synthesis by Use of the [[2ー(Methylthio)ーpheny]thio]methyl (MPTM) Group as the 2'ーHydroxyl Protecting Group" Chemistry Lett.121-124 (1991)