1990 Fiscal Year Annual Research Report
紫外光励起ガスソ-スMBE法によるエピタキシャル絶縁薄膜の起低温形成に関する研究
Project/Area Number |
02253207
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
石田 誠 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (30126924)
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Keywords | 紫外光励起 / ガスソ-スMBE / エキシマレ-ザ / Al_2O_3 |
Research Abstract |
本年度は、2種類の手法を用いてAl_2O_3薄膜成長の光照射効果を検討した。 まず第1の手法として、Si基板へのレ-ザ光の照射方向を、基板に対し垂直、及び水平方向の2通りで実験を行った。垂直照射の場合、レ-ザ光により基板表面励起効果と気相光解離効果の2種の効果が生じるのに対し、水平照射の場合、気相光解離効果のみが生じると考えられる。すなわち、上記の2通りの実験結果を比較検討することにより表面励起効果と光解離効果のそれぞれの影響を考察できる。これらの実験の結果を比較したところ、次のことが分かった。ArFエキシマレ-ザによる気相光解離の効果により、酸素源として使用したN_2Oの光分解が確認された。そしてその表面励起の効果により、約300℃のエピタキシャル成長温度の低下、及びAl_2O_3膜の成長速度の増加が生じたと考えられる。 第2の手法としては、光吸収係数の違う酸素源、N_2OとO_2を用い実験を行った。ArFエキシマレ-ザ(193nm)に対して、N_2Oに比べO_2は、光吸収係数が3桁ほど小さいため、TMA+N_2Oによる成長とTMA+O_2による紫外光励起ガスソ-スMBE成長の結果を比較検討することにより、TMA,N_2O,O_2の各々の光照射効果を考察できると考えた。その結果、TMA+N_2Oの実験で生じたような、光照射によりエピタキシャル成長するためのN_2Oの流量条件の急激な変化は、TMA+O_2の実験ではみられず、O_2は光により分解していないて考えられる。 現在のところ、以上のところまで分かった。これからは、レ-ザの波長を変化させて、本成長系の成長機構を解明して行きたいと考えている。
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Research Products
(2 results)