1990 Fiscal Year Annual Research Report
in vitroシナプス形成で自己組織化された大脳皮質神経回路網の構造と機能 ーーモデュ-ル様構内、構造間のニュ-ロン機能結合の新しいspecific lesion法などによる解析ーー
Project/Area Number |
02255230
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute for Neuroscience |
Principal Investigator |
黒田 洋一郎 東京都神経科学総合研究所, 神経生化学研究部門, 副参事研究員 (30073084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 和夫 (財)東京都神経科学総合研究所, 神経生化学研究部門, 主事研究員 (80100139)
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Keywords | ラット / にわとり / 大脳皮質 / 培養ニュ-ロン / カルシュウム / モデュ-ル構造 / モノクロ-ナル抗体 |
Research Abstract |
本年度は、ラットおよびにわとりの大脳皮質ニュ-ロンを酵素で単離した純培養し、培養ニュ-ロン間のシナプス形によりできたニュ-ロン回路網に各種伝達物質のアンタゴニストなどを添加し、自然発火および任意のニュ-ロン刺激による、ニュ-ロンの活動パタ-ンCa^<2+>感受性色素を用いて観察し、その変化により重要な興奮性、抑制性シナプスの分布を明きらかにし、モデルュ-ル様構造内、構造間の機能結合を解析した。 いくつかの条件下で、モデュ-ル様構造に対応すると考えられる、非同期性の活動パタ-ンが1つの培養ウエル中で見いだされた。現在、モデュ-ル構造の出現を規定している因子にどのようなものがあるかを検討中である。ここで使われる中枢ニュ-ロン表面に対するモノクロ-ナル抗体ライブラリ-(本研究員らが8年間かけて作製したもの)のうちには、特定のニュ-ロン群と反応するものがあり、このような抗体を用いると実際の脳組織でのそのニュ-ロン群の存在様式を知ることができるのも本研究の特徴で、モデル系である培養系での知見を実際の脳へ適用するための有力な武器になろう。
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[Publications] 黒田 洋一郎: "脳のニュ-ロン回路網研究の現状:記憶の“tracing circuit"モデル" 「バイオコンピュ-ティング研究戦略」神沼真二他編 サイエンスフォ-ラム. (1990)
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[Publications] 黒田 洋一郎: "記憶シナプスの可塑性とインパルス頻度ーATP、アデノシンの役割ー" 生物物理. 30. 186-192 (1990)
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[Publications] 黒田 洋一郎: "ATP・アデノシン受容体と記憶シナプスの可塑性" 蛋白質核酸酵素. 35. 757-767 (1990)
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[Publications] 黒田 洋一郎: "モノクロ-ナル抗体の利用" 「神経生化学」(新生化学実験構座11 日本生化学会編 東京化学同人). 104-115 (1990)
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[Publications] 黒田 洋一郎.市川 真澄.村本 和世.川原 正博.小川 和夫.小倉 明彦.工藤 佳久: "培養大脳皮質・海馬ニュ-ロン間シナプス形成の機能アッセイおよび電顕による定量的解析ーーーATPの影響" 神経化学. 29. 196-197 (1990)
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[Publications] 黒田 洋一郎: "アデノシン,ATPレセプタ-" Clin.Neurosci. 8. 34-35 (1990)