1990 Fiscal Year Annual Research Report
胸腺リンパ球ー間質細胞複合体の形成と調節機構の研究
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02256215
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
日合 弘 愛知県がんセンター, 研究所・病理学第二部, 部長 (10073131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 幸雄 愛知県立大学, 文学部, 助教授 (10128639)
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Keywords | 胸腺 / 間質細胞 / 細胞間相互作用 / 接着因子 / 接着抑制因子 / 胸腺リンパ腫 |
Research Abstract |
胸腺リンパ球の発生、増殖、免疫学的機能の獲得には胸腺固有の間質細胞との細胞間相互作用が重要な役割を果たしている。我々は胸腺リンパ腫組織からリンパ腫細胞と胸腺間質細胞からなる細胞複合体を高い再現性で分離する方法を開発した。リンパ腫細胞は複合体形成下では容易に試験管内で増殖維持され、この中から間質細胞に依存せず増殖する細胞が出現するに至る進展を示した。リンパ腫あるいは正常胸腺から分離した間質細胞を用いて細胞複合体形成のin vitroでの定量法を確立して解析したところ、複合体形成は細胞間の接触とこれに続くリンパ腫細胞の間質細胞下へのもぐりこみの2段階よりなっていた。この第一段階は各種動物の血清中の因子により競合的に抑制された,同様の複合体形成は正常胸腺リンパ球の内、大形芽球について認められた。マウス血清中の同因子の耐熱性で、PH5.4で当電点沈澱する巨大分子であり、分子量の異なる3つの画分が区別された。イオン交換樹脂、ハイドロキシアパタイトへの吸着および溶出の条件を決定し、これらの性質を組み合わせ、活性因子の精製を進めている。なお、フィブロネクチンおよび同活性ペプタイドには抑制活性はみられなかったが、ヘパリンには明瞭な抑制活性が認められた。また百日咳トキシンは強力な抑制活性を持っていた。これら因子の作用点の異同については検索中である。リンパ腫胸腺より複合体形成能のある間質細胞多数を分離し、自家製ならびに国内外の研究者から交換により入手した抗胸腺上皮モノクロ-ナル抗体を用い免疫細胞化学的に解析したところ、すべて被膜下層および髄質型のサブセットに属していた。これまで入手した抗体の中には複合体を抑制する活性のあるものは見られなかった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 日合 弘: "リンパ腫発生母地としての胸腺微小環境" 細胞. 22. 98-102 (1990)
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[Publications] Matsuyama,M.ほか9名: "Genetic regulation of the development of glomeralar sclerotic lesions in the BUF/Mna rat." Nephron. 54. 334-337 (1990)
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[Publications] Kikuchi,T.ほか7名: "Nuclear localization of antigens detected by a monoclonal antibody against a synthetic peptide of rfp finger protein." Hyhridoma. 9. 189-200 (1990)
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[Publications] Yano,Y.ほか11名: "Provirus integration at the 3'region of Nーmyc in cell lines established from thymic lymphomas spontaneously formed in AKR mice and a 〔(BALB/c×B_6)F_1→AKR〕bone marrow chimera" Jpn.J.Cancer Res. 82. 176-183 (1991)
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[Publications] Hiai,H.,Yokota,Y.,Buma,Y.: "Genetic Intervention in Diseases with Unknown Etiology(分担)" Elsevier Pub., (1991)