1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02258221
|
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
上野 孝治 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助教授 (10143504)
|
Keywords | E遺伝子群 / ホメオテック遺伝子 / ホメオボックス |
Research Abstract |
研究代表者は、E遺伝子群が基本的には、ショウジョウバエのBithorax complexに似た遺伝子群であると考えて解析を行った。そのように考えたのは、例えば、E^N(New additional crescents)変異のホモ接合体は、腹部の体節が胸部の体節に変換してしまうが、これはBithorax complexの遺伝子の機能のほとんどが欠損した変異体の形質によく似ているからである。 この考えをもとに、最初に、ショウジョウバエのBithorax complexの構成遺伝子である<Ubx>___ー,<abd>___ー A__ーや<Abd>___ー A__ーのHomeobox遺伝子と同じような遺伝子が、蚕にもあるかどうかを調べた。その結果、Homeobox部位のアミノ酸配列がほとんど相同なそれぞれの遺伝子が、蚕にもあることがわかった。 次に、それらの遺伝子を使って、E^N変異の染色体DNAを解析した。その結果、蚕の<Ubx>___ーと<abd>___ー A__ー遺伝子が欠失していることが明らかになった。この結果は、E^N変異のホモ接合体は、腹部の体節が胸部の体節に変換してしまうという現象とよく対応するものである。また、もう一つの変異染色体E^<Ca>(Additionalcrescents)の解析を行った結果、この変異では<abd>___ー A__ー遺伝子だけが欠失していることが明らかになった。 以上の解析から、蚕の<Ubx>___ーと<abd>___ー A__ーの遺伝子は、E遺伝子群の主要な構成遺伝子であることが、初めて明らかになった。今後、これらの遺伝子を開始点として広範囲の遺伝子のクロ-ニングを行えば、E遺伝子群全体の構造と機能が明らかになると思う。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] K.Matsuno: "Transciiptional Stimulation <via>___ー SC site of <Bombyx>___ー sericinー1 gene through an interaction with a DNA binding protein SGFー3" Nucl.Acids Res.18. 1853-1858 (1990)
-
[Publications] R.Nanbu: "Prebential deadenylation of Sarcoplaga lectin mーRNA during its acute phase expression" Biochim.Biophys.Acta. 1088. 71-76 (1991)