1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02259101
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永井 克孝 東京大学, 医学部(医), 教授 (80072974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 克 千葉大学, 医学部, 教授 (80110310)
竹縄 忠臣 東京都老人総合研究所, 部長 (40101315)
青柳 高明 微生物化学研究所, 部長 (10159303)
星 元紀 東京工業大学, 理学部, 教授 (20012411)
斎藤 政樹 自治医科大学, 医学部, 教授 (60012762)
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Keywords | ガングリオシド / 細胞増殖と分化制御 / 精子卵相互作用 / 角化過程 / ヘマグルチニン / メラノ-マ糖鎖抗原 / 酵素阻害剤 / チロシン水酸化酵素 |
Research Abstract |
ガングリオシド糖鎖の担うバイオシグナルの機能とその分子機作を解明するために生理活性に注目した研究を展開し、各分担研究者は以下のような注目すべき研究成果を得た。 (1)表皮への角化過程で動物種を越えて表皮特異的に発現される糖脂質の構造を決定した。この糖脂質をラット胎児皮膚より得たケラチノサイト培養培地に添加することにより、ケラチン合成が著明に活性化され、角化過程が大幅に亢進されることを発見した。この注目すべき生理活性を示す糖脂質をリポチラチノゲノシドと命名した。 (2)ウニ卵の主要ガングリオシドはER膜に存在し受精後その分布が一変することを見い出した。受精卵の分子変化として注目すべき知見である。 (3)4種類のグリコシダ-ゼ阻害物質を腹腔内投与することにより、脳内のグリコシダ-ゼ活性が投与量に依存した変化を示すことを見つけた。 (4)全てのインフルエンドウイルスヘマグルチニン亜型(HA1ーHA13)の遺伝子塩基配列を決定し、その変異と受容体ガングリオシドに対する認識特異性との関連を明らかにした。 (5)ヒト骨髄性白血病細胞を特異的に分化誘導するガングリオシドは、活性を有しない分子に比べ細胞への結合と取り込みが迅速であり、また分解と合成系のスピ-ドが速いことを見い出した。 (6)GM3ガングリオシドが動物種を越えてメラノ-マの糖鎖性抗原であることを発見した。その抗体はメラノ-マとのみ反応し正常細胞とは反応しない。これはメラノ-マ上の抗原密度が関与していることを示した。 (7)細胞内カテコ-ルアミン系の律速酵素であるチロシン水酸化酵素は、ガングリオシドによって活性化されることを発見した。 (8)細胞増殖におけるPKC分子種の生化学的基盤を明らかにするために、DG産生機構の多様性によるPKC分子種特異的活性化を示した。
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[Publications] Uchida,Y.,Iwamori,M.Nagai,Y.: "Activation of keracninization of keracnonocytes from fetal rat skin with Nー(Oーlinoleoyl)hydroxy fatty acyl sphingosyl glucose(lipokeratinogenoside)" Biochem,Biophys.Res.Commun.170. 162-168 (1990)
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[Publications] Akashi,M.,Nojiri,H.,Saito,M.: "Role of lymphotoxin in expression of interleukin 6 in human fibroblasts" J.Clin.Invest.85. 121-129 (1990)
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[Publications] Kubo,H.,Hoshi,M.: "Immunochemical study of the distribution of a ganglioside in sea urchin eggs" J.Biochem.108. 193-199 (1990)
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[Publications] Ogita,K.,Miyamoti,S.,Koide,H.,Iwai,T.,Oka,M.,Ando,K.,Nishizuka: "Protein kinase C in Saccharomuces cerevisiae:Comparison with the mammalian enzyme" Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 87. 5011-5015 (1990)
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[Publications] Takemori,T.,Taniguchi M.: "Two types of U chain compleses are expressed during differentiation from preーB to mature B cells" EMBO J.9. 2393-2400 (1990)
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[Publications] Aoyagi,T.,Wada,T.,Nagai,M.,Kojima,F.,Harada,S.,Takeuchi,T.: "Increased rーaminobutyrate aminotransferase activity in brain of patients with Alzheimar's disease" Chem.Pharm.Bull. 38. 1748-1749 (1990)