1990 Fiscal Year Annual Research Report
デアミノノイラミン酸(KDN)を含む糖脂質ーKDNーガングリオシドーの検索と機能
Project/Area Number |
02259204
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 康男 東京大学, 理学部, 助教授 (30004336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北島 健 東京大学, 理学部, 助手 (80192558)
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Keywords | デアミノノイラミン酸 / KDN / KDNーガングリオシド / 抗KDN抗体 / シアル酸アナログ / KDNスフィンゴ糖脂質 |
Research Abstract |
シアル酸はNーアシルノイラミン酸誘導体の総称で複合糖質(糖脂質、糖タンパク質)の構成要素として動物組織・細胞に広く分布している他、ある種の病原性バクテリアの莢膜多糖およびウイルスの外膜の構成要素としても存在し、現在20種以上知られている。我々は、魚卵表層顆粒由来の糖タンパク質の構造・機能の研究過程でノイラミン酸のアミノ基が水酸基で置換された俗称デアミノノイラミン酸(KDNと略称)と言うべき新しいシアル酸アナログを発見した(1986年)。その後の研究状況から推してシアル酸の場合と同様、KDN残基を含む複合糖質が微量であるかも知れないが動物組織・細胞に広く分布しているのではないかとの考えの基に本研究を計画し、以下に列挙する結果を得た。 (1)結合様式を異にするKDN残基(KDNα2→8KDN;KDNα2→3Gal;KDNα2→6Gal NAC等)を含むKDNー糖タンパク質を抗原として用い、ポリクロ-ナル抗体の産生に成功した。これをプロ-ブとしてKDNーガングリオシドの検索に活用すると共に、より特異的な単クロ-ン抗体の調製を目下行っている。 (2)平成2年度の特筆すべき研究成果は、世界に先駆けてKDNーガングリオシドの最初の存在例をニジマス精子に見出したことである。100尾を越すニジマス2年成熟魚精子からKDNーガングリオシドを単離・精製し、純粋試料について化学的・生化学的手法を駆使してセラミド部分を含め完全化学構造を決定した[(KDN)Gm_3と命名]。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 金森 審子: "Deaminated Neuraminic Acidーrich Glycoprotein of Rainbow Trout Eggs Vitelline Envelope.Occurrence of a Novel αー2,8ーLinked Oligo(Deaminated Neuraminic Acid)Structure in Oーlinked Glycan Chains." The Journal of Biological Chemistry. 265. 21811-21819 (1990)
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[Publications] Yu Song: "Unveiling of Deaminated Neuraminic AcidーContaining Glycosphingolipid (KDNーganglioside)in Nature" Nature. (1991)