1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02262224
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
片岡 徹 神戸大学, 医学部, 教授 (40144472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 昇 神戸大学, 医学部, 助手 (00202135)
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Keywords | ras遺伝子 / がん遺伝子 / アデニル酸シクラ-ゼ / GTP結合蛋白質 / サイクリックAMP / 反復配列 / 出芽酵母 |
Research Abstract |
1 出芽酵母アデニル酸シクラ-ゼの<ras>___ー相互作用部位の同定:出芽酵母アデニル酸シクラ-ゼ遺伝子に種々の欠損および2アミノ酸挿入変異を導入して<ras>___ー蛋白による活性化に対する影響を調べた所,シクラ-ゼ中央部の600残基を占めPXXαXXLXXLXXLXLXXNXαXXα(P:プロリン,L:ロイシン,N:アスパラギン,α:脂肪族アミノ酸,X:アミノ酸不特定)という23残基の反復より構成される領域(Leucineーrich repeatsと呼ぶ)が<ras>___ー蛋白との相互作用に必須である事が判明した。Leucineーrich repeatsは,その中の何処の部位に2アミノ酸の挿入を行っても<ras>___ー蛋白との反応性が完全に破壊されるので、たぶん非常にrigidな超立体構造をとっていると考えられた.更に,repeatsの単位配列に点突然変異を導入し1アミノ酸の置換を行った所、単位配列コンセンサス配列中のロイシンが一定の間隔をおいて存在する事が重要である事が判明した。以上の結果はLeucineーrich repeatsがロイシンジッパ-配列のように蛋白質一蛋白質間の相互作用に必要な配列である事を示唆した。更にLeucineーrich repeats部の後半200残基の領域に,<ras>___ー蛋白のエフェクタ-結合領域に結合するとされる<ras>___ーの調節蛋白質GAP,NFー1と配列の相同性が発見されたので,この領域が<ras>___ー蛋白の結合部位であると考え現在徹底的に点突然変異を導入して解析を行っている。 2 出芽酵母と分裂酵母のアデニル酸シクラ-ゼ分子間のキメラの作製:上記2種類の生物の<ras>___ー蛋白との反応性の異なるアデニル酸シクラ-ゼ分子間のキメラを作製して解析した所,出芽酵母シクラ-ゼのLeucineーrich repeatsを含む領域を,<ras>___ー蛋白によって制御されない出芽酵母シクラ-ゼ活性ドメインに連結すると<ras>___ー蛋白に対する反応性が賦与される事が判明した。以上の結果は我々が提唱する“出芽酵母シクラ-ゼの<ras>___ー相互作用ドメインが進化の過程で転位して別の蛋白質へ連結された"というモデルを支持している。
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[Publications] Noboru Suzukiら: "Leucineーrich repeats and carboxyl terminus are required fof interaction of yeat adenylate cyclase with <RAS>___ー proteins." Proceeding of the National Academy of Sciences,USA. 87. 8711-8715 (1990)
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[Publications] J.Fieldら: "Cloning and Characterization of <CAP>___ー,the S__ー.<cerevisiae>___ー Gene Encoding the 70kd Adenylyl CyclaseーAssociated Protein." Cell. 61. 319-327 (1990)
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[Publications] 片岡 徹: "<ras>___ー蛋白とアデニル酸シクラ-ゼ" 実験医学(増刊号). 8. 165-168 (1990)