1990 Fiscal Year Annual Research Report
核蛋白質による十字型DNA構造の特異的識別・結合の様式および同構造解消の機構
Project/Area Number |
02263212
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
吉田 充輝 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (20005648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白川 仁 東京理科大学, 基礎工学部, 助手 (40206280)
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Keywords | DNA結合性タンパク質 / クロマチンタンパク質 / 非ヒストンタンパク質 / HMGタンパク質 / DNAータンパク質複合体 / DNA構造認識 / 遺伝情報発現調節 / 遺伝子構造 |
Research Abstract |
1.(1)DNAに対するHMG1,HMG2(HMGと略)タンパク質の結合の度合を測定するために、ゲルシフト・アッセイ法の条件を設定した。 (2)この系を用いて解析の結果、HMGはI型DNAに最も親和性が高く、Ir、II型の共存下では、I型がほぼ飽和するとIr型,II型へも結合した。III型とI型DNA共存下では、まずI型に優先的に結合した。III型DNAに結合しているHMGも後にI型DNAを加えると、I型DNAへ移行した。 (3)十字型構造をとり1本鎖ル-プを持つものと、持たないものとの2種類の合成DNAをもちいて解析の結果より、HMGは1本鎖グル-プ構造により高い親和性を持つことが明らかとなった。 (4)これらの結果から、HMGは塩基配列には依存せず、1本鎖領域を認識結合した後、2本本鎖部分へ協同的に結合するものと推察される。 2.一次構造上相同性が高いHMG1とHMG2についてDNAへの結合の度合は大きく異なることがゲルシフト・アッセイの結果で明らかとなり、異なる機能をもつことも考えられる。 3.HMG1タンパク質のプロテア-ゼ,あるいはBrCN分解断片とDNAとの相互作用の解析から,HMG1のDNA結合領域のひとつは、N末端より74番目のアミノ酸までの領域にあることが確かめられた。 4.DNAとHMGとの結合構造を解析する為に、DNA結合ドメインを高発現させる条件を設定しつつある。HMGのDNA認識・結合の様式は従来のそれらとは全く異なる新しいモチ-フであることが予想され、新知見を得ることができるものと考えられる。 5.HMG2の遺伝子領域(約5Kbp)をクロ-ニングし、その全塩基配列をはじめて明らかにし、新しい知見が得られた。この結果は、今後の研究に重要な基盤を与える。
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[Publications] Shirakawa,K.,Tsuda,K.,and Yoshida,M.: "Primary structure of nonーhistone chromosomal protein HMG2 revealed by the nucleotide sequence." Biochemistry. 29. 4419-4423 (1990)
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[Publications] Adachi,Y.,Mizuno,S.,and Yoshida,M.: "Efficient largeーscale purification of nonーhistone chromosomal proteins HMG1 and HMG2 by using Polybufferーexchanger PBE94." Journal of Chromatography. 530. 39-46 (1990)
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[Publications] Waga,S.,Shirakawa,H.,Mizuno,S.,and Yoshida,M.: "The selective binding of HMG1 to the cruciform DNA structure and the subsequent resumption of transcription." Nucleic Acids Symposium Series. 22. 81-82 (1990)
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[Publications] Waga.S.,Mizuno,S.,and Yoshida,M.: "Chromosomal protein HMG1 removes the transcriptional block caused by the cruciform in supercoiled DNA." The Journal of Biological Chemistry. 265. 19424-19428 (1990)