1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02301010
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
小林 忠 学習院大学, 文学部, 教授 (60000329)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 宏 東京国立博物館, 資料第一研究室, 研究員 (30176101)
千野 香織 学習院大学, 文学部, 助教授 (20163727)
冷泉 為人 大手前女子大学, 文学部, 助教授 (70122215)
西 和夫 神奈川大学, 工学部, 教授 (10049687)
武田 恒夫 大手前女子大学, 文学部, 教授 (00000357)
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Keywords | 江戸城 / 障壁画 / 御用絵師 / 狩野派 / 粉本 / 下絵 / 江戸時代 |
Research Abstract |
初年度は下記の日程で、会議と調査の機会をもち、貴重な知見を得た。 1.平成2年7月26〜28日(於東京) ・東京国立博物館特別調査の研究概要報告と同館所蔵資料の調査。 ・三康図書館所蔵資料の調査。東京国立博物館所蔵資料にはない江戸城障壁画下絵が新たに見出された。 2.平成2年10月19日〜21日(於彦根,京都) ・彦根城博物館所蔵資料の調査。彦根藩御用絵師の活動実態を絵画,文書の両面から探った。 ・二条城本丸御殿(旧桂宮家御殿)および妙心寺塔頭聖沢院の障壁画を調査。平戸藩御用絵師で京都に於ては桂宮家御出入絵師として活動していた片山尚景についてその作風を確認した。 3.平成3年2月25日〜28日(於福岡、久留米) ・福岡県立美術館所蔵福岡藩御用絵師尾形家絵画資料の調査。福岡藩江戸藩邸の平面図を見出し、その中の一つの建物(建物名は不明)の上段の間と下段の間に該当する障壁画資料1巻が確認された。 ・久留米市教育委員会所蔵久留米藩御用絵師三谷家絵画資料の調査。従来は不明であった万延度江戸城本丸御殿の障壁画資料が見出された。それらの中には原寸大の模写もあり、障壁画制作の技法が細部にわたって判明した。さらに、江戸または久留米いずれかの久留米藩藩邸のものと思われる障壁画資料も見出された。 ・福岡市博物館所蔵の絵画資料の調査。福岡藩御用絵師衣笠守昌の作風を確認した。 ・福岡市美術館所蔵の絵画資料の調査。将軍家奥絵師(狩野探幽、常信)、表絵師(狩野益信)の作風を確認した。 研究分担者による研究報告は延べ19回行われ、新知見が蓄積された。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 小林 忠: "狩野晴川院の大和絵復興" 大和文華. 83. 30-39 (1990)
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[Publications] 村重 寧: "後鳥羽院像と信実" MUSEUM. 476. 42-46 (1990)
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[Publications] 松原 茂: "「古図抄出」と「公用日記」ー記録魔狩野晴川院" 水莖. 8. 83-90 (1990)
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[Publications] 池田 宏: "狩野晴川院公用日記" 別冊歴史読本事典シリ-ズ. 5. 230-231 (1990)
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[Publications] 冷泉 為人: "吉村孝敬筆 花鳥図屏風" 國華. 1138. 46-49 (1990)
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[Publications] 並木 誠士: "室町後期における絵画制作の場" 美学. 160. 60-71 (1990)
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[Publications] 武田 恒夫(著・監修): "重要文化財名古屋城本丸御殿障壁画集" 名古屋市, 308 (1990)
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[Publications] 安村 敏信: "江戸狩野派の変貌" 板橋区立美術館, 80 (1990)