1990 Fiscal Year Annual Research Report
単身赴任者の子女の学校・家庭生活への適応に関する心理学的研究
Project/Area Number |
02301014
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
祐宗 省三 広島大学, 教育学部附属幼年教育研究施設, 教授 (50033543)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松島 恭子 大阪市立大学, 生活科学部, 講師 (20132201)
田中 昭夫 島根大学, 教育学部, 助教授 (60123725)
田中 佑子 東京理科大学, 諏訪短期大学, 講師 (30089320)
中澤 潤 千葉大学, 教育学部, 助教授 (40127676)
井上 厚 広島大学, 教育学部, 教授 (40044903)
|
Keywords | 単身赴任 / ストレス / 不安 / 対処(克服、コ-ピング) / 勤労意欲 / 帯同赴任 / 社会的支持(ソ-シャルサポ-ト) |
Research Abstract |
本年度実施した役割分担としては、〔I〕「子女の対処行動および子女の父親像の形成と発達に関する心理学的研究」と、〔II〕「子女のストレス反応の規定要因に関する心理学的研究」の二部門である。まず〔I〕では、特に単身赴任者本人、妻、子女について第一次アンケ-ト調査を実施した。その結果、(1)本人の単身赴任の理由は、子どもの教育のため、現住地に生活の基盤ができているため、などである。勤労意欲の変化はない。仕事にはかなり満足しているが日常生活の面では不満足である。悩みや心配事は、社会的支持(ソ-シャルサポ-ト)の面で、妻や職場の同僚に相談している。しつけや教育は妻が主として担当しており、妻からの相談はあまりない。子どもについての心配は、勉強や成績のこと、また異性とのつきあいである。(2)妻は、単身赴任時、不安であり、自分がしっかりしなければならないという気持ちになった。その不安感を主として自分の趣味でまぎらわす。悩みや心配事は、妻のきょうだい、夫、団体・グル-プの仲間等に相談している。夫との電話の主要な内容は、留守中の家庭での出来事や家族のことである。夫が帰宅した時の主要な話題は、子どもの進路や学校・職場での出来事に関するものである。(3)子女は、悩みや心配事として、対人関係、進路をあげている。相談相手は友人やきょうだいである。一番気になるのは家族のことである。父への希望は母を大切にし、健康に留意し、自分の趣味を持ってほしい。母への希望は、父親と類似した意見、健康、子どもを自由にさせてほしいなどである。〔II〕では、単身赴任者、帯同者、子女についてアンケ-ト調査を実施した。その結果、母では、単身赴任組が帯同赴任組よりもストレスが高く、子女では逆に帯同赴任組が単身赴任組よりストレスがやや強い傾向がみられた。
|