1991 Fiscal Year Annual Research Report
地域の社会力の現状測定と社会力の変動予測(地域社会の自己組織性分析)
Project/Area Number |
02301025
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
高橋 和宏 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (40117718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅谷 よし子 宮城学院女子大学, 人文学部, 助教授 (40162854)
寺田 良一 都留文科大学, 文学部, 助教授 (00163923)
池田 寛二 日本大学, 農獣医学部, 専任講師 (60144622)
大西 康雄 山梨県立女子短期大学, 生活科学科, 専任講師 (40223896)
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Keywords | 地域社会 / 権力構造 / 社会力 / ネットワ-ク / 自己組織過程 |
Research Abstract |
平成三年度の研究は、大別すると、(1)自己組織性の概念にたいする理論的彫拓、(2)前年度に収集され山積みの南陽市調査資料の整理と分析、(8)南陽市と比較のための資料の他都市への収集と整序、であった。 以下順に成果を述べたい。 (1)自己組織性概念の中枢は、体系、おもにその構造の自己言及的な内発的発展であり、構造を情報過程論から捉え直したとき、かかる発展は結局、「潜勢的異端」と「曖昧な実存」に依拠せざるをえないという地点に到達した。すなわち前者は、構造内の通路を断つことなく潜在する批判勢力としての準閉塞回路、後者は、構造内に広く通路を開きつつ寧ろ第三者的展開を図る両義的立場としての広媒介回路、といいうる。さらに自己組織性について、他の一般の理論研究では、その異水準間構成的と同水準内経時的との二つの概念が混同されたまま、議論されているのではないかという疑問を提起し、両者を統合することを企図した。 (2)南陽市調査資料の整理と分析は上記理論の展開に支えられ順調に進められるはずだったが、都立大学の移転で大型計算機の機種が変更され、文系の使用体制が整わず、こんなこともあろうやにと、大学の講座予算で買い求めていたパソコンで、苦労しやっとのことで元来のペ-スを取り戻した。しかしその時点までに非常な労力がかかってしまい、悔やまれる。結果的には、回帰分析、固有ベクトルの算出、ネットのグラフィックが可能になった。それにより南陽市の社会力の現状は中周型が堅固で、近い将来も、対立抗争はないにしても、螺旋型へはあまり期待できないため、旧態依然の近代化が強力に進められ自前の発展は弱いだろうと予測された。 (3)伊那市、沢内村、横手市、下田市の資料が収集、検討、再検討され有効だった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 高橋 和宏,大西 康雄,山口 洋: "地域社会の社会力の測定と予測" 人文学報. 27. 31-73 (1992)
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[Publications] 高橋 和宏,大西 康雄,山口 洋: "地域社会の社会力の測定と予測" 人文学報. 28. (1993)