1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02301081
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
和合 肇 富山大学, 経済学部, 教授 (00091934)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 正人 横浜国立大学, 経済学部, 助教授 (60170354)
加納 悟 横浜国立大学, 経済学部, 助教授 (50114971)
斯波 恒正 筑波大学, 社会工学系, 助教授 (90187386)
米澤 康博 筑波大学, 社会工学系, 助教授 (40175005)
|
Keywords | 現代投資理論 / 資本資産評価モデル(CAPM) / 単位根の検定 / マルチファクタ-モデル / カルマンフィルタ- / モンテカルロ積分 |
Research Abstract |
本研究は、平成2年度の文部省科学研究費(総合A)の補助金に基づいて行われた。本研究は、証券・債券市場における代表的な投資理論である資本資産評価モデル(CAPM)や裁定評価モデル(APT)を中心に、これらのモデルが日本の市場で有効に作用するか否かについて、市場デ-タを用いて実証的に研究することが目的であった。プロジェクト期間中数回にわたって研究会を開き、理論的な発展と計量分析上の問題点についてレビュ-を行った。また、研究成果の一部については7月に北海道大学で開催された日本統計学会や8月にスペインのバルセロナで開催された国際計量経済学会世界大会でそれぞれ論文の報告を行った。いくつか研究で主なものとして、和合は金融時系列デ-タでランダムウォ-クモデルが適当か否かを調べるいわゆる単位根の問題に関して、ベイズアプロ-チから新たな検定法を提案した。また、斯波・和合は最近の投資理論で有力になっているファクタ-モデルをカルマンフィルタ-を用いて動学的に発展させるモデルを提案し、日本の株式収益率デ-タに対して適用した。米澤は日本の金融市場におけるCAPMの再検討とAPTモデルの実証分析を行った。いろいろな計量経済学的な問題中、例えば係数制約の妥当性の問題について、ベイジアン統計学の観点から事後オッズ比を用いてこの制約がデ-タにとって望ましいものであるかどうかを要約する方法を検討した。金融分野での応用では、多くの場合デ-タの動きについての事前の信頼といったものが存在する。この事前の情報を分析にとり入れる方法としてベイジアンによる分析が優れているが、今まで余りこの面での実証研究が行われていなかったのは、事後分布の評価に際して解析的に行うのが困難な高次元の積分計算の為であった。最近のモンテカルロ積分による数値積分法の発展により、この問題は実際に計算可能になっており、現在この方法による実証研究を実行中である。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 斯波 恒正・和合 肇: "Time Varying Parameter SUR Estimetion of a Multifactor Asset Pricing Model" 第59回日本統計学会配付論文. 1-13 (1990)
-
[Publications] 和合 肇・霍見 浩善: "A Bayesian Analysis of Stationarity and Unit Root Hypotheses" 国際計量経済学会(第6回)〓発表論文. 1-12 (1990)
-
[Publications] 加納 悟: "日本における自然失業率仮説の検証について" 日本統計学会誌(forthcoming). 1. (1991)
-
[Publications] 米澤 康博・石川 欽也: "我が国におけるCAPMの再検証" ファイナンス研究. 13. (1991)
-
[Publications] 小林 正人: "Testing for Autocorrelated Disturbances in Nonlinear Regression Analysis" Journal of American Statistical Association(forthcoming). 1-13 (1991)