1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02301099
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
黒柳 俊雄 北海道大学, 農学部, 教授 (90001403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷部 正 東北大学, 農学部, 講師 (10125635)
甲斐 諭 九州大学, 農学部, 助教授 (70038313)
加古 敏之 神戸大学, 農学部, 助教授 (00121533)
石田 正昭 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (80144228)
嘉田 良平 京都大学, 農学部, 助教授 (90111947)
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Keywords | 米の国内自由化 / 米生産構造 / 米消費構造 / 米流通構造 |
Research Abstract |
米の国内自由化を行った場合のわが国の生産、流通、消費の各構造及び各地域に如何なる影響を与えるかを計量経済学的に検討することが本研究の目的である。本年度の研究成果は次年度への予備的研究及び計量モデルと方法の検討が主である。1.生産構造については、(1)稲作コスト低下の可能性は規模拡大の可能性に強くリンクしていることを確認し、土地需要の価格弾力性が価格硬直的であることを明かにした。(2)生産者米価の下落は、a)日本農業全体では、水稲作付面積、水稲生産額の大幅減少、水稲以外生産額の若干増をもたらす。b)近畿地方では、小規模層程稲作所得の大幅低下、稲作余剰が大きく負となり、土地の賃貸借条件が成立しにくくなり土地の流動化が進展しなくなる結果を得た。2.流通構造については、(1)卸業者の米の評価は、品質や価格のみでなく、見づら、歩留まり、安定性にも重点を置いていることが明かとなった。(2)九州の流通量調査より、九州内自主流通米のうち38%が管外からの移入であり、福岡県内の量販店の調査より北海道米が50%を占めており品質に加え価格が重要である結果を得た。3.消費構造では、類別の需要関数の計測を目指し、モデルの検討を行い、品質間の代替関係、計測の容易さからLA/ASIDSモデルまたはArmington改良モデルを採用することにした。4.地域への影響については、(1)地域社会・経済影響評価モデルの試作のため、遠野市を対象とした認知構造モデルを作成し、シナリオ分析のための農家意識調査を実施した。(2)限界地の水田農業への影響として、長野県南佐久、愛知県海部津島を選び資料収集、集落リ-ダ-への面談を行った。以上のように研究は予定通り進んでいる。次年度ではさらに、モデルの改善、計測方法の再検討、シミュレ-ションシナリオの検討を行って本研究の目的を達成する。
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