1991 Fiscal Year Annual Research Report
デカルトの「第五・第六省察」の批判的註解とその基本的諸テ-マの問題論的研究
Project/Area Number |
02301113
|
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
所 雄章 中央大学, 文学部, 教授 (40055041)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香川 知晶 帝京平成短期大学, 助教授 (70224342)
西村 哲一 青山学院大学, 文学部, 助教授 (80198506)
佐々木 周 北海道教育大学, 旭川分校, 助教授 (90133785)
村上 勝三 山口大学, 人文学部, 助教授 (80144905)
山田 弘明 名古屋大学, 文学部, 教授 (40106258)
|
Keywords | デカルト / 省察 / テクスト・デ-タ・ベ-ス / 心身問題 / 二元論 / 存在論的証明 |
Research Abstract |
1.平成3年度の交付申請書の「研究の目的」と「研究の実施計画」とに記したとおりの仕方でわれわれは、(昨年度は「第五省察」の、そして)本年度は「第六省察」の即テクスト的な研究を遂行した。すなわち、(1) 第一回の研究集会(平成3年9月)では、研究代表者によるー(duc du Luynesの)『フランス語訳本』と今日の代表的な近代語訳本とにおけるの原テクストの読み方の批判的吟味を踏まえたー〈テクストの文と語句の彩義〉と〈他のテクスト(「反論と答弁」や『哲 学の原理』や「ビュルマンとの対話」等)との対応の指示〉とを元にして、意見を交換した。そして、前回から持ち越された二つの重要な『省察』的問題点ー〈神の存在論的証明〉と〈デカルトの循環〉とーについて、研究分担者による〈今日の代表的なデカルト史家の解釈の報告〉が行われ、それを元にして全員で討議した。 (2) 第二回の研究集会(同12月)では、「第六省察」にとりわけ固有な二つの問題点ー〈物心の分離〉と〈身心の合一〉とーについて、 研究分担者による〈今日の代表的なデカルト史家の解釈の報告〉とそれを元にした〈全員による討議〉とを行った。 (3) そのようにして獲得された数々の知見については、『省察』というテクストの即テクトス的な研究というわれわれの研究の性格上、これを「実績報告書」の閲読に俟つ。 2.なお、最終の第三回の研究集会(平成4年3月)では、昭和58年度以降三回(昭和58ー60年度と昭和63年後と今回の平成2ー3年度と)にわたり〈科学研究費補助金〉を受けて推進してきたわれわれの〈デカルトの『省察』の共同研究〉の〈これまで〉を顧みて、その全体を統括するとともに、われわれの〈これから〉のデカルト研究についても意見を交換した。今回を以て、この〈共同研究〉はひとまず終わることにする。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 山田 弘明: "デカルト『省察』の研究・6 ー第三省察から第五省察へー" 名古屋大学文学部研究論集. 112. 1-53 (1992)
-
[Publications] 小泉 義之: "力あるものの観念ーデカルト「第三省察」・「第一証明」前半の考察ー" 宇都宮大学教育部紀要. 42. 73-86 (1992)
-
[Publications] 鈴木 泉: "観念・存在・内的感得ーマルブランシュ・アルノー論争へ向けての予備的考察ー" 東京大学教養学科紀要. 24. (1992)
-
[Publications] 所 雄章: "方法敍説/省察※その「省察」部分の翻訳と解題(訳者の旧訳ー白水社刊「デカルト著作集」第2巻ーの〈科研費〉による研究にもとづく全面的改訳版〔1991年〕の校訂版)" 白水社(イデ-選書), 341+9 (1992)
-
[Publications] 所 雄章: "Les textes des“Meditationes"※原稿はすでに完成" (中央大学出版部), 200 (1993)