1990 Fiscal Year Annual Research Report
亀裂損傷が海洋構造物の構造応答に及ぼす影響に関する研究
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02302052
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
矢尾 哲也 広島大学, 工学部, 教授 (20029284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮川 佳夫 広島大学, 工学部, 助手 (50229803)
藤久保 昌彦 広島大学, 工学部, 助教授 (30156848)
藤本 由紀夫 広島大学, 工学部, 助教授 (60136140)
村川 英一 大阪大学, 溶接工学研究所, 助教授 (60166270)
豊貞 雅宏 九州大学, 工学部, 助教授 (30188817)
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Keywords | 海洋構造物 / 円筒ブレ-ス材 / 弾塑性大たわみ解析 / 理想化構造要素 / 亀裂進展 / J積分 / CTOD / CTOA |
Research Abstract |
海洋構造物に発生する亀裂損傷について調査研究を行い、基本的には大きな応力集中の生じる部材接合部に亀裂が発生することを確認した。また、これとは別に、補給船の衝突や甲板からの重量物の落下などに起因する凹損部からも亀裂発生が発生することを確認した。 つぎに、円周方向の板厚貫通亀裂を有する円筒試験体を用いて純曲げ崩壊試験を行い、亀裂進展を伴う円筒部材の崩壊挙動について調べた。さらに、この試験体に対してシェル要素を用いた有限要素法による弾塑性大たわみ解析プログラムを用いてGeneration Phase解析およびApーplication Phase解析を行い、亀裂進展開始条件としてはJ積分あるいは亀裂先端開口量(CTOD)が、また、進展条件としては亀裂先端開口角(CTOA)が有効であることを確認した。 さらに、純曲げ荷重を受ける場合を想定して、亀裂の影響を考慮した円筒部材の理想化構造要素を開発した。この要素では、まず、亀裂の存在による剛性の低下が考慮されている。さらに、Sandersにより提案されている円周亀裂のDugdale ModelおよびTearing Equationを導入し、亀裂進展を考慮しながら円筒部材の最終強度およびその後の耐荷力の評価ができる。 本理想化構造要素を用いた解析結果は、試験結果および有限要素法による解析結果と、良い相関を有することが確認できた。また、同じ材料で同じ角度の亀裂、直径/板厚比を有する円筒部材でも、大型部材ほど断面降伏の初期の段階で亀裂進展が始まること、亀裂進展が始まった後も大きな耐荷力を有することなどが明かになった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tetsuya Yao;Masahiko Fujikubo;Yao Zhao: "Load Carrying Capacity of Cracked Tubular Members Considering Crack Growth" Proc.Fisrt Pacific/Asia Offshore Mechanics Symposium Vol.III. 359-366 (1990)
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[Publications] 藤久保 昌彦,趙 耀,矢尾 哲也: "亀裂損傷を有する円筒部材の曲げ耐荷力解析" 西部造船会会報. 第82号. (1991)