1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02302064
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
池田 駿介 東京工業大学, 工学部, 教授 (60016590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細田 尚 京都大学, 工学部, 助手 (10165558)
山坂 昌成 金沢工業大学, 工学部, 助教授 (20174641)
述本 哲郎 金沢大学, 工学部, 助教授 (20115885)
黒木 幹男 北海道大学, 工学部, 助教授 (50002001)
石川 忠晴 東北大学, 工学部, 助教授 (50159696)
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Keywords | 基線型 / 流体 / 振動 / 拡散 / カオス / 数値解析法 / 境界条件 |
Research Abstract |
本研究では本質的に非線型の現象である流体運動について、その非線型数理解析手法を調査研究し、その体系化をはかったものである。 先ず、流体現象においてもよく見られる振動現象について自励振動、強制振動、パラメ-タ振動を取り上げ、非線型現象特有の性質である同期,非線型応答、分数調波応答の解析手法を取りまとめるとともに解の安定性を調べる方法も調べた。流体運動では運動量や物質の拡散現象も重要であり、拡散型非線型方程式の様々な解法を取りまとめ、更にそれらの解析手法が成立するための条件についても研究を行なった。流体運動では境界条件も非線型となる場合がある。ここでは、有限振幅波、浮遊砂を代表例に取り上げ、境界の非線型性についての調査を行なった。最近の話題として様々な物理現象におけるカオスの問題が脚光を浴びているが、流体運動においてもカオス現象が現れる。本研究ではカオスの一般的理論を取りまとめるとともに、その具体的応用例として容器内の液面揺動及び対流の問題を取り上げ、カオスの理論がいかに適用できるかを示した。この種の研究は今後の発展が期待される。以上のような数理解析手法が適用できない複雑な非線型現象解明のための手段として数値解析手法を取り上げたが、数値解析手法自体は多くの成書があるのでここでは特に乱流運動のモデル化について詳しく調査した。以上のような一般的手法の他に、水理学における具体的な諸問題に非線型解析手法がいかに適用されているかについて調査を行なった。ここでは、流体力、梁の自励振動、土砂輸送、河川の横断形状、交互砂州、河川の蛇行、洪水流などの研究に非線型解析手法がどのように用いられているかを示した。 以上の研究成果は単行本として発行され、若手研究者、大学院生の解析能力向上のために資すると考えられる。
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