1992 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリヤ筋症並びにミトコンドリヤ脳筋症の病因・病態の解明
Project/Area Number |
02304043
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
多田 啓也 東北大学, 医学部, 教授 (20046907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮林 重明 東北大学, 医学部, 講師 (20174203)
宝来 聰 国立遺伝学研究所, 助教授 (40126157)
和田 義郎 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (30004849)
小澤 高将 名古屋大学, 医学部, 教授 (80022771)
香川 靖雄 自治医科大学, 教授 (30048962)
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Keywords | ミトコンドリア脳筋症 / ミトコンドリアDNA / MELAS / ヘテロプラスミー / 電子伝達系酵素 / 培養線維芽細胞 / SV40クローン化細胞 / ρO細胞 |
Research Abstract |
ミトコンドリア(mt)脳筋症の病因の多くは、異常mtDNAと正常mtDNAのヘテロプラスミーである。MELASはmt脳筋症の代表的な疾患であり、それらの病態解明のため、患者骨格筋mtの電子伝達系酵素の検討を行なった。患者の生検筋を用いた電子伝達系酵素活性測定および免疫プロット解析ではComplex I活性及び蛋白量がCCO等の他の酵素に比して低下していた。筋組織中では3243AG変異の割合は50%から80%であり正常mtDNAと混在して存在していた。筋での変異mtDNAの割合と卒中様症状発症時期及び筋Complex I活性は明らかな負の相関性を示した。3243AG変異を持つ培養皮膚線維芽細胞及びSV40クローン化線維芽細胞を用いた実験では、培養線維芽細胞での33代までの継代培養、クローン化細胞を20週間以上培養しても、mtDNA変異率に変化は認められなかった。60%以上の変異率を持つクローン化細胞においてComplex Iの活性低下と酵素蛋白量の低下がみられた。mtDNAを除いたHela細胞(ρO細胞)と3243AG変異を持つ脱核細胞との融合細胞では、90%の変異率の細胞にてComplex Iの活性の有意な低下が認められた。クローン化細胞及び融合細胞の実験は両方ともに明らかになり、変異の割合の増加と共に酵素活性の低下が示されたことから、3243AG変異は病因と考えられ、Complex Iを低下させることで病態を引き起こす一次的原因と孝えられた。実際には筋mtDNAの変異率は50%台と低い症例も認めらるが、この原因として加齢に伴う電子伝達系機能の低下が考えられた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Haglnoya, et.al.: "Cyrochrome C oxidase-deficient mitochondria in mitochondrial myopathy" Pediatr.Neurol.8. 13-18 (1992)
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[Publications] S.Miyabayashi,et al.: "Defects of mitochondrial respiratory enzymes in cloned cells from MELAS fibroblasts" J. Ingerit. Metab.15. 797-802 (1992)
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[Publications] S.Miyabayashi,et.al.: "Clinical and biochemical phenotype of MELAS mutation" J. Ingerit. MetaB. Dis.(in press).