1991 Fiscal Year Annual Research Report
新技術によるレジン、ポ-セレンおよびグラスセラミックス修復の臨床応用に関する研究
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02304051
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
細田 裕康 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (30018410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩久 正明 新潟大学, 歯学部, 教授 (70013927)
下河辺 宏功 北海道大学, 歯学部, 教授 (20014011)
河野 篤 鶴見大学, 歯学部, 教授 (00064345)
勝山 茂 日本歯科大学, 歯学部, 教授 (80060408)
原 学郎 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (80064773)
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Keywords | レジンセメントの劣化 / 艶出し研磨 / ラミネ-トベニア修復 / 辺縁破折 / MODポ-セレンインレ-の窩壁適合性 / キャスタブルガラスセラミックス / デンチンプライマ- / 臼歯コンポジットレジン修復 |
Research Abstract |
1.細田は各種レジン系セメントの化学耐久性を評価するために、60℃、0.1NのNaOH水溶液を用いてその構造変化を経時的に観察したところ、一週間後における劣化変質層の深さは、約13〜280μmであり、各セメント間において様々であった。 2.下河江はキャスタブルガラスセラミックスの機械的艶出し研磨を各種試み、その表面性状について検討した結果、荒研磨後フェルトホイ-ルとダイヤモンド粒子含有ペ-ストで艶出しした方法が最も良好であることを示した。 3.久保田は仮封を行うことにより、象牙質面が強く影響を受けることを、SEM、Xー線分析、接触角にて明らかにした。 4.岩久は抜去歯を用いて各種材料、窩洞形態等の条件下でラミネ-トベニア修復物への繰り返し荷重試験を行い、その漏洩度を評価した結果、象牙質辺縁での漏洩が多く認められたため、その防止策を検討した。 5.加藤は臼歯部MOD窩洞に対する窩壁適合性について検討した結果、窩洞形態としてConcave Typeが、耐火模型材の寸法精度(硬化膨脹率-空焼き後の収縮率)が0.22〜0.67%の膨脹を示すものが適することを示した。 6.勝山は2級窩洞に修復されたレジンインレ-、ポ-セレンインレ-に対し、サ-マルサイクリング下で繰り返し加重同時負荷試験にてその辺縁破折量を比較、検討したところ、ポ-セレンインレ-の方が破折が多く発生することを示した。 7.伊藤はデンティンプライマ-として、著明に象牙質接着性を改善すると報告されたグルタルアルデヒドとHEMAの組織為害性を軽減させるために、多価アルコ-ルとメタクリル酸のエステルを合成し、これによる接着性改善効果を検討した結果、mesoーエリスリト-ルメタクリレ-トに優れた接着性効果が認められることを報告した。 8.河野は試作キャスタブルセラミックスの内側性窩洞への適合性を検討するために、数種類の埋没材で作製した鋳造体の表面粗さを測定した結果、表面粗さが窩洞適合性に大きな影響を与えることを示した。 9.原はホログラフィ-変形測定法を用いて窩洞の外力によるひずみを測定した結果、接着性レジン材料による窩洞修復にあたっては従来の窩洞原則にある抵抗形態の厳格な付与が必要ではないことを示した。 10.新谷は修復してから2年経過した臼歯コンポジットレジン、コンポジットレジンインレ-修復の予後を観察した結果、コンポジットレジンインレ-修復では窩洞形態や合着するレジンセメントの違いがその予後に影響し、また両修復法とも大臼歯部の修復よりも小臼歯部の方が良好であることを示した。
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[Publications] 井上 哲,高田 あゆみ,実川 信弘,川上 進,木村 邦昭,浅井 和雄,下河辺 宏功: "キャスタブルガラスセラミックスの艶出し研磨" 第7回バイオラミクス研究発表会 抄録集. 79-81 (1991)
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[Publications] Rintaro Terata,Minoru Kubota: "Studies on removal of temporary cements from enamel and dentin." Dental Materials(Transaction). 4(1). 110-111 (1991)
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[Publications] 石川 和之,福島 正義,岩久 正明: "ラミネ-トベニア修復物の辺縁漏洩の評価" 接着歯学. 9. 170-177 (1991)
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[Publications] 加藤 喜郎: "臼歯部接着性ポ-セレンインレ-修復に関する研究(第2報)窩洞形態と耐火模型材の寸法精度が窩壁適合性に与える影響について(MOD窩洞の場合)" 接着歯学.
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[Publications] MANABE,A.,KATSUNO,K.,ITOH,K.,WAKUMOTO,S.,and MIYASAKA,T.: "Bonding Efficacy of Erythritol Methacrylate Solutions as Dentin Primers" Journal of Dental Research. 70(9). 1294-1298 (1991)
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[Publications] 山本 雄嗣: "キャスタブルガラスセラミックスの内側性窩洞への適合性に関する研究(第1報)表面あらさについて" 日本歯科保存学雑誌.
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[Publications] 五味 明良,犬飼 由朗,松井 治,堅田 尚生,千田 彰,原 学郎: "ホログラフィ-の窩洞抵抗形態検討への応用" 日本歯科保存学雑誌. 34. 1536-1540 (1991)
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[Publications] 郡山 昌悟,新谷 英章 他9名: "ポ-セレンインレ-の窩壁適合性について" 広島大学歯学雑誌. 23. 332-335 (1991)