1990 Fiscal Year Annual Research Report
歯周疾患・歯髄疾患がセメント質に与える影響およびその処置について
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02304052
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
長谷川 紘司 昭和大学, 歯学部, 教授 (70014024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村井 正大 日本大学, 歯学部, 教授 (50059185)
加藤 熈 北海道大学, 歯学部, 教授 (60001020)
岩山 幸雄 朝日大学, 歯学部, 教授 (70028744)
原 耕二 新潟大学, 歯学部, 教授 (20018419)
見明 清 東京歯科大学, 教授 (30085691)
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Keywords | セメント質 / 露出セメント質 / 過石灰化帯 / ムコ多糖類 / 内毒素 / 歯周病 / 機械的根面処理 / ル-トプレ-ニング |
Research Abstract |
セメント質の性状、特にムコ多糖類の特性については不明の点が多かったが、岩山は有細胞・無細胞セメント質について検索し、その結果デルマタン硫酸、コンロイチン硫酸、プロテオグリカンなどに、特異的な所見を見いだしている。 露出セメント質の変化については、見明はCMRおよび分析電顕を利用し、過石灰化帯の元素的特性を明らかにするとともに、基質膠原線維の変化も観察している。これらの定性的変化とともに、セメント質の組織学的微細表面性状の変化も山岡によって報告されている。 一方、これらの病的変化が何によるかについては、歯周ポケット内環境によるものであることは容易に想像される。長谷川は歯周病関連細菌であるBigingivalis由来の内毒素の露出セメント質内の分布を免疫組織学的組織化学によって検索し、その推測を実証するとともに内毒素の浸透の深さがセメント質表層にとどまっていることを明らかにした。 露出セメント質の病的変化が表層にとどまっているにせよ、臨床的対応としてこの変化を放置することは、歯肉結合組織の根面への新たな付着を妨げることは既に明らかであり、今までにも主に機械的根面処理(ル-トプレ-ニング)によって、根面性状の改善を図ってきた。原、加藤はそれぞれairーpowder abrasive systemまたは新規に開発した超音波スケ-ラ-チップで根面性状の改善に取り組み、その結果歯根上での線維芽細胞の増殖率、ヒト抜去歯根の平滑度、軟組織残存率、種々の臨床的パラメタ-の改善などが観察されている。 村井はこのような機械的根面処理によって術後の微生物の付着が明らかに減少し再発防止に有効であることを報告している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 上田 雅俊,稲田 芳樹,寺西 義浩,釜谷 晋平,北村 卓也,牧草 一人,白井 健雄,東 浩介,大橋 哲,大野 修一郎,山岡 昭,上村 参生,熨斗 秀光,神原 正樹,小西 浩二: "露出セメント質の表面性状について(その2)" 日本歯周病学会会誌. 32. 59 (1990)
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[Publications] 荒井 法行,伊藤 公一,村井 正大: "露出歯根部象牙細管内への細菌侵入に関する研究ーとくにフッ化物による根面処理の影響についてー" 日本歯周病学会会誌. 32. 60 (1990)
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[Publications] 廣畠 英雄,小川 哲次,寿賀野 泰司,河内 美穂,河口 浩之,佐藤 裕紀,白川 正治,岡本 莫: "歯周病罹患歯根面に関する超微形態学的研究ー実験的歯周炎の成立過程と露出歯根面の経時的変化についてー" 日本歯周病学会会誌. 32. 81 (1990)
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[Publications] 佐藤 悦子,呉 忠憲,小池 文一,柳村 光寛,原 耕二,小沢 英浩: "Airーpower abrasive systemの歯周治療への応用についてー基礎と臨床応用ー" 日本歯科保存学会雑誌. 33. 123 (1990)
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[Publications] 菅谷 勉,川浪 雅光,加藤 熈: "ポケット探針型超音波スケ-ラ-のNonーsurgical therapyへの応用" 日本歯周病学会会誌. 32. 134 (1990)
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[Publications] 須田 玲子,茂手木 義男,小林 誠,宮下 元,長谷川 紘司: "露出セメント質へのLPSの浸透についてー免疫組織化学的検索ー" 第34回春季日本歯周病学会総会.