Research Abstract |
動物実験オ-ルタナティヴの動きに対応する1つの手段として,初学者に動物を用いないで動物実験手技を教育,訓練するためのシミュレ-タ(モデル)を開発した。その最初のモデルとしてラットを選び,経口投与,気管挿管,尾静脈注射等の訓練ができることを第一目標とした。モデル作成の実際は,(株)高研が担当した。(株)高研は,人工呼吸,心臓マッサ-ジ,分娩介助等のモデル製作に第一級の実績をもっている。 まず,シリコ-ンを素材とした忠実なラット原型を作り,続いて,頭蓋骨,下顎骨,咽喉頭,気管,食道,胃等の模型をレプリカ法によって作成した。材質はカテ-テル挿入や注射針刺入の自然な感触に近いものを開発した。続いて,表皮,諸臓器,尾静脈等について解剖学的に忠実に再現したラットモデルを完成させた。なお,体の一部を透明シリコ-ンで作成し,内部が観察できるようにした。 この開発研究は,数次にわたる試作品について,研究メンバ-あるいは研究計画には記されていない多くの協力者の卒直かつ建設的な意見交換(検討会議の開催,個別の交流)を基にして,初学者の動物実験手技訓練用として十分に実用に耐えるラットモデル(試作品)を完成させることに成功した。本試作品の製品化は平成3年5月中旬までに終了させて,最初の製品を第38回日本実験動物学会総会(平成3年5月29〜31日於札幌)において発表,展示する予定である。 次期開発モデルは,経口投与,気管挿管,耳静脈採血(注射),皮下注射,導尿の教育,訓練を目的としたウサギモデルとし,最終的には,マウス,モルモット,イヌ,ネコ,サル類のモデルを開発したい。
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