1990 Fiscal Year Annual Research Report
画像資料保存・活用のためのデジタル化に関する研究ー褐色カラ-フィルムの色彩復元を中心にー
Project/Area Number |
02306006
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Research Institution | Tokyo National Museum |
Principal Investigator |
池田 厚史 東京国立博物館, 資料部, 情報調査研究室長 (70132701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
副島 弘道 東京国立博物館, 資料部, 主任研究官 (20216576)
高見沢 明雄 東京国立博物館, 資料部, 情報管理研究室長 (90150036)
田中 義恭 東京国立博物館, 資料部, 資料部長 (50099959)
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Keywords | 画像資料 / 褐色カラ-フィルム / 色彩復元 / デジタル化 / カラ-写真 / ポジフィルム |
Research Abstract |
博物館美術館では昭和40年頃から絵画、彫刻、工芸品等のカラ-による写真撮影、収集を始め、膨大な量のフィルムが集積されている。これらの中には、再撮影が不可能なもの、困難なもの、作品の修理前の状態を示すもの等、かけがえのないフィルムが多く含まれていて、美術史研究や博物館美術館活動の上で重要な資料となっている。しかし、これらカラ-フィルム(ポジフィルム)は経年による褐色がすすみ、20%程がこれに該当して、資料としての活用に著しく支障をきたしており、各博物館美術館ともその保存が大きな課題となっている。本研究は、これら褐色したカラ-フィルムを電算処理によって撮影時の色彩に復元し、そのデ-タをデジタル化して保存し、再活用をはかることを目的とする。 以上の研究目的に対し、本年度は以下の研究を実施した。すなわち、 (1)基本デ-タ収集担当分担者を中心にして、絵画、彫刻、工芸品等の各分野の典型的色彩を示す褐色フィルムを選定した。 (2)上記に対応する作品について、できる限り同条件のもとであらたにカラ-撮影を行なった。 (3)デジタル化担当分担者を中心にして、(1)(2)のフィルムともレ-ザ-光線を用いて1インチあたり1200線に分解し、電算機によってデジタル化した(色彩は赤・緑・青を基本として2048段階とした。 (4)デジタル化によって得られたデ-タを比較検討して補正値を算出し、基礎デ-タとした。 (5)褐色の要因となった各諸条件を基礎デ-タに加えて被写体となった作品の材質技法等の各分野ごとのマニュアルを作成した。 (6)(1)〜(3)までの計画立案および基本となるマニュアルを作成のため、研究分担者全員の参加による研究打合会を実施した。 である。なお、以上の成果の公表は平成4年度に報告書を刊行する。
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