学校における水利用と児童生徒の健康評価に関する衛生化学的研究

1991 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 02306023
• Research Institution: Nihon University
• Principal Investigator: 澤村 良二 日本大学, 薬学部, 教授 (40058748)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 喜多村 一夫 岐阜市立女子短期大学, 教授 (60141389) ; 永瀬 久光 岐阜薬科大学, 講師 (40141395) ; 太田 健爾 東京都立衛生研究所, 微生物部・ウイルス研究科, 科長 ; 笹野 英雄 東京都立衛生研究所, 環境保健部・水質研究科, 科長 ; 佐谷戸 安好 摂南大学, 薬学部, 教授 (70106186)
• Keywords: 飲料水 / 水泳プ-ル / ウイルス / 大腸菌 / 塩素消毒 / 残留塩素 / 水着素材 / 変退色

Research Abstract

1.永泳プ-ル水とその付帯施設としての腰洗い槽について残留塩素、水質等の実態調査を、東京都、大阪府、岐阜県で実施したところ、次のような結果が得られた。
(1)腰洗い槽の残留塩素濃度は調査した12施設中8施設が50ー100mg/1,4施設が15ー30mg/1であった。
(2)腰洗い槽における残留塩素の消費量をいくつかの施設において算出したところ、0.1ー0.35g/人であった。
(3)腰洗い槽中の大腸菌群を5施設について測定した結果、いずれの施設からも検出されなかった。
(4)プ-ル5施設、腰洗い槽3施設についてウイルスの分離検索を行ったところ、1ヶ所のプ-ルからウイルスが検出されたが、アデノウイルスとは異なる種類であった。
2.ウイルスならびに大腸菌に対する塩素処理の効果を知るためのモデル実験として、大腸菌およびポリオウイルスを含有するふん便を水着素材に塗布した状態における塩素の殺菌効果について、現在検討中である。
3.水着の変退色に対する腰洗い槽の塩素濃度の影響について実験室的検討を行った結果は、次のとおりであった。
(1)学童・生従用水着の主素材となっているナイロンの塩素収着量は、1.5秒間で0.5mg/gとなり、1. (2)において得られた腰洗い槽の一人当りの塩素消費量の15ー40%に相当した。
(2)水着素材のうちナイロン、ポリウレタン系素材は塩素処理による変退色が大きく、ポリエステル、アクリル系素材は変退色に対して抵抗性を示した。
4.学校飲料水の受水槽に関連する文献の収集を終了し、現在整理中である。