1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02351002
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
小川 隆 明星大学, 人文学部, 教授 (30050850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 淳一 明星大学, 人文学部, 講師 (60202389)
渡辺 茂 慶應大学, 文学部, 教授 (30051907)
室状 靖子 立命館大学, 文学部, 教授 (80027482)
小嶋 祥三 京都大学霊長類研究所, 教授 (70027499)
鹿取 広人 帝京大学, 文学部, 教授 (80012300)
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Keywords | 認知 / 言語行動 / コミニュケ-ション / 系統発生 / 個体発生 / 比較心理学 / 発達心理学 / 神経心理学 |
Research Abstract |
ヒトの言語行動とそれを支える認知の成立を、系統発生・個体発生の両面から、学際的かつ総合的に検討することが、本研究の第1の目的である。このような各分野を越えた統合的な研究を実施するには、重点領域研究の申請が必要となり、そのための意見交換、準備をおこなった。本研究では2回の全体会議、各班会議、総括会議を行い、プロジェクト全体の研究の方向性を決め、各班での詳細な研究計画をたて、最終的にそれらを統括して、重点領域研究を申請した。第1回全体会議では20名中17名が、第2回全体会議では15名が参加し、言語行動や認知機能の系統発生と個体発生を明らかにするために、心理学(特に比較心理学、発達心理学)を中心に、音声学、言語学、生理学、神経心理学、動物行動学などを柱にすえ、密接な連携のもとに共同研究をおこなってゆくことを確認した。5つの班が構成され、具体的な研究内容が討議された。(1)「動物の認知」班では、ヒトの言語使用を可能にする認知能力の生物学的基礎を、動物の系統発生的な種間比較により実験的に解明して行く。(2)「ヒトの認知発達」班では、ヒトの言語行動を成立させている認知機能の個展発生を、動物の認知班、音声言語班と密接な協力のもとに明らかにする。特に、言語・認知の障害の問題も扱う。(3)「動物のコミュニケ-ション」班では、自然な状態での主として霊長類のコミュニケ-ションを観察法により研究し、種間の特徴とヒトの音声言語との関連を明らかにする。(4)「言語・行為の神経心理学」班では、ヒトの言語行動の背後にある運動能力を種間比較から浮きぼりにする。(5)「音声言語」班では、ヒトの音声言語の本質的特性を、表出・受容面から、また構造・機能面から明らかにする。以上のような視点から、重点領域研究としての全体的研究計画が討議された。
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