1990 Fiscal Year Annual Research Report
バイオモジュレ-タ-による蛋白質リン酸化反応の制御
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02354020
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
日高 弘義 名古屋大学, 医学部, 教授 (80100171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千谷 晃一 藤田学園保健衛生大学総合医科学研究所, 教授 (60179942)
藤澤 仁 旭川医科大学, 教授 (10027039)
大場 義樹 金沢大学, 薬学部, 教授 (10012634)
野澤 義則 岐阜大学, 医学部, 教授 (10021362)
新井 賢一 東京大学医科学研究所, 教授 (00012782)
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Keywords | バイオモジュレ-タ- / カルシウム信号 / タンパク質リン酸化反応 / 分子薬理学 / 特異的阻害剤 |
Research Abstract |
近年における分子生物学・分子薬理学の発展はめざましいものがあり刺激を受けた細胞が固有の細胞応答を発現するまでの複雑な過程を分子レベルで解明しうる段階に到達している。本研究では、細胞内情報伝達機構を解明するために決定的に重要なバイオモジュレ-タ-(分子プロ-ブ)に焦点を当て、蛋白リン酸化反応、カルシウム信号系の意義について学際的研究の可能性について検討した。この目的のために2回の班会議と1回の公開シンポジウムを企画した。第1回班会議は、平成2年8月29日名古屋大学医学部鶴友会館において開催された。この会議においては、細胞内情報伝達研究の現状と展望について論議され、将来に向けての協力体制が確認された。公開シンポジウム「バイオモジュレ-タ-・シンポジウムーカルシウム信号の分子機構ー」は1990年11月21日に名古屋市中小企業振興会館にて開催された。最先端の研究を行っている15名のシンポジストを招き、活発で質の高い論議が行われた。全国より約300名の研究者が参集し、この分野に対する関心の強さとレベルの高さがうかがわれた。このシンポジウムの経過は抄録集として約700部が配付された。シンポジウムの成果を踏まえて同日、名古屋市中小企業振興会館において第2回の班会議が開催された。活発な討論が行われ、討議の結果として、細胞内情報伝達のメカニズムを解明する上で、カルシウム信号系が極めて重要な意義を有することが確認された。更に、この課題を達成するためには、新鮮な方法論、即ち分子薬理学、分子操作、天然及び合成阻害剤、新しい分子生理学的技法などを包含する「バイオモジュレ-タ-」という概念を取り入れ、学際的研究領域を創出することが不可欠であることが結論され、平成4年度発足重点領域研究「カルシウム感応性信号伝達とバイオモジュレ-タ-」(代表者、藤沢仁)を申請することが決定された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 日高 弘義,他: "バイオモデュレ-タ-・シンポジウムーカルシウム信号の分子機構ー" 抄録集.
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[Publications] 日高 弘義,他: "カルシウムシグナリングの分子薬理ーカルシウム依存性蛋白質リン酸化反応系の評価ー" 生化学. 62. 1473-1489 (1990)