1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02354021
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安楽 泰宏 東京大学, 理学部, 教授 (20012643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 諭吉 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (00092429)
川喜田 正夫 東京大学, 教養学部, 教授 (00012740)
二井 將光 大阪大学産業科学研究所, 教授 (50012646)
香川 靖雄 自治医科大学, 医学部, 教授 (30048962)
向畑 恭男 名古屋大学, 理学部, 教授 (10028110)
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Keywords | プロトンサ-キット / オスモエンザイム / ATP合成酵素 / 呼吸鎖電子伝達酵素 / 能動輸送蛋白 / H+ー輸送性ATPase |
Research Abstract |
本総合研究は、高等動植物・微生物を対象とする「プロトンサ-キットの分子機構」研究の現状を調査解析し、将来の理学および医学生物学分野における研究の推進基盤と発展動向を把握するため、全班員による領域横断的な総合研究を遂行した。具体的には、1)プロトンサ-キットの主要な駆動系であるATP合成酵素および呼吸鎖電子伝達酵素の化学浸透共役理論の検証(安楽、香川)、分子構築と反応制御(二井)、分子進化(向畑)、機能欠失と病態(小沢)、組織特異的発現(原)の研究動向、2)プロトン(ソジウム)サ-キット系の主要なエネルギ-転換系である能動輸送系機構を主題とする生化学・分子生物学(川喜田、水上)、生理・薬理学(星、原、折田)、細胞生物学(水島、安楽)の研究動向をそれぞれ調査した。ATP合成酵素および呼吸鎖電子伝達酵素はともに多数のサブユニットからなる巨大分子であり、膜を介するプロトンの定方向性輸送(物理的過程)とATP合成あるいは基質酸化(酸素還元)(いずれも化学的過程)を共役させる化学浸透酵素(オスモエンザイム)であることにもとづき、それらの反応・調節機構を高次構造に立脚して解明することが緊急重要な課題であることを提言した(第3回ノ-ベル賞フォ-ラム・ワ-クショップ:1990年10月)。さらに、プロトンサ-キット機構の最先端研究に関する公開講演会(1990年12月)を開催し、あわせて、医学・細胞生物学領域への研究拡大の方策を論議した。これらの全成果は、論括班会議(1990年12月)において集中討議に付せられ、「細胞エネルギ-共役系の構築と調節」を申請課題とする重点領域研究を推進することが、わが国に課せられた重要な責務であることを確認し、標記に関する申請書をとりまとめた。
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