1990 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトの国際化に関する総合的研究ー特に外国人労働者に関する調査研究を中心にー
Project/Area Number |
02401004
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
山下 袈裟男 東洋大学, 社会学部, 教授 (10057903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多川 豊宇 東洋大学, 社会学部, 専任講師 (40103569)
松本 誠一 東洋大学, 社会学部, 助教授 (30181770)
細井 洋子 東洋大学, 社会学部, 教授 (80073633)
池田 正敏 東洋大学, 社会学部, 教授 (30103568)
高橋 統一 東洋大学, 社会学部, 教授 (90057935)
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Keywords | 外国人労働者 / グロ-バリゼ-ション / ヒトの国際化 / 日系ブラジル人 / 研修生 / 中小企業 / 適正技術移転 / 異文化接触問題 |
Research Abstract |
当該研究で、最初に着手したことは、独仏の研究者を交えての、外国人労働者問題に関する独仏事情と日本の比較であった。我が国は、1960年代当時の独仏の状況に似ていることが指摘された。これをもとに、日本として導入できる方法が何であるかが検討された。当該問題については、「外国人労働者問題コンピュ-タデ-タベ-ス」を作成し、コンテントアナリシスを行った。次いで、外国人労働者が最も多い業種である製造業中、労働集約性の高い鍍金工業で働く外国人労働者のヒアリング調査を都下で行った。新入管法施行日である平成2年6月1日前夜にアジア人労働者の労働・生活実態を調査した。都下の鍍金工場30数カ所、面接した外国人労働者は約100名である。併せて、神奈川県の自動車部品工業で研修する研修生(OJT)との比較調査を行った。新入管法で研修生の受けれ枠が緩和される見通しだからである。OJTを通した技術移転、ODAによる受け皿としての産業基盤整備、ことに中小企業の研修生受け入れ問題の研究が急務であった。新入管法施行で日系人2・3世並びにその家族の定住ビザが認められた。これによって、日系人労働者の入国が急増する。これに合わせて、群馬県の太田市と大泉町の日系人の実態調査を行った。ことに、大泉町では、ポルトガル語による、日系人の直接ヒアリング調査を実施した。同町では、日系ブラジル人を直接雇用するという形式で、地場産業の有志企業に、町役場が協力して雇用の安定促進をはかる任意団体を結成し、人材獲得に乗り出している。日系人子女のための学校や保育園等への受け入れにも同町は全国に先駆けて着手した。上記調査では、日系人の50%余が永住を希望しており、こうした日系人受け入れのための基盤整備の必要が生まれてきている。 外国人労働者送りだし側の研究として、フィリッピンの中小企業構造の研究も進められた。次年度、ブラジルの送りだし母村の実態調査を企画している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 池田 正敏: "在日外国人の生活構造" 東洋大学社会学部紀要. 第28号ー2. 31-76
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[Publications] 池田 正敏: "Smallーand MediumーScale Enterprises and the SocioーEconomic Development in Philippines" 東洋大学社会学部紀要. 第28号ー2. 199-218
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[Publications] 喜多川 豊宇: "外国人労働者問題の時系列コンテントアナリシス コンピュ-タデ-タベ-ス作成を手法として" 東洋大学社会学部紀要. 第28号ー2. 77-132
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[Publications] 喜多川 豊宇: "群馬県大泉町における日系人労働者のヒアリング調査ー永住化志向と受け入れ基盤整備ー" 東洋大学社会学部紀要. 第28号ー2. 133-198
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[Publications] 喜多川 豊宇(共著): "アジア人勤労者問題に関する調査研究" (社)アジア社会問題研究所, 335