1991 Fiscal Year Annual Research Report
高並列計算機QCDPAXを用いたクォ-ク・グル-オン系の数値シミュレ-ション
Project/Area Number |
02402003
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岩崎 洋一 筑波大学, 物理学系, 教授 (50027348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金谷 和至 筑波大学, 物理学系, 助手 (80214443)
吉江 友照 筑波大学, 物理学系, 助手 (40183991)
小柳 義夫 東京大学, 理学部, 教授 (60011673)
白川 友紀 筑波大学, 構造工学系, 助教授 (20112021)
星野 力 筑波大学, 構造工学系, 教授 (30027130)
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Keywords | 高並列計算機 / QCDPAX / 相転移 / クォ-ク / グル-オン / ハドロン / フレ-バ / 格子QCD |
Research Abstract |
科学研究費補助金(特別推進研究)により平成元年度に完成した高並列計算機QCDPAXを用いて格子QCDの本格的計算を行う為に、ソフトウエア開発の環境を、ワ-クステ-ションを購入することにより、さらに整えた。この環境の基で、グル-オン系の有限温度相転移を調べる為に、モンテカルロ・シミレ-ションによる本格的な計算を行った。まず、時間方向の格子の長さを4にとり、空間方向の大きさを、12x12x24と24x24x36の2つの場合に計算を行った。ほぼ相転移点に対応する結合定数に対して、前者の場合、91万回、後者の場合、71万回のイテレイションのシミュレ-ションを行った。さらに、時間方向の格子の大きさを6にとり、空間方向の大きさを24x24x24と36x36x48にとり、それぞれ、約50万回、120万回のイテレイションの計算を行った。この36x36x48x6の格子の上での計算は、格子の大きさからいっても、イテレイションの回数の多さからにっても、それまでの計算の規模をはるかに越えている。これらの計算により、一次相転移に付随する潜熱は、時間方向の格子の大きさが6の場合、それまでの計算に比べて約半分であること等を導くことが出来た。次に、ハドロンの質量の計算を24x24x24x54の格子の上で行った。それまでの計算より精度の高い計算を行うことが出来、クォ-クの質量がストレンジ・クォ-クの質量の約3分の1程度までは、現象論による予言と良い一致を示すこと導いた。3番目の仕事として、フレ-バの数が大きい時に、クォ-クの閉じ込めはどの様に変化するかを調べ、フレ-バの数が7以上の時は、ゲ-ジ結合定数が無限大の時でも、クォ-クの閉じ込めが起きないことを示した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Iwasaki: "QCDPAX: Present Status and First Physical Results" Nucl.Phys.B(Proc.Suppl.). 20. 141-144 (1991)
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[Publications] K.Kanaya: "Pure QCD at Finite Temperature:Results from QCDPAX" Nucl.Phys.B(Proc.Suppl.). 20. 300-304 (1991)
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[Publications] Y.Iwasaki: "Deconfining かransition of SU(3)Gauge Theory on N_t=4 and 6 Lattices" Phys.Rev.Lett.67. 3343-3346 (1991)
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[Publications] K.Kanaya: "Deconinement Transition of Pure QCD on N_T=6 Lattices" Nucl.Phys.B(Proc.Suppl.).
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[Publications] Y.Yoshie: "Quenched Hadron Spectrum on a 24^3×54 Lattice" Nucl.Phys.B(Proc.Suppl.).
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[Publications] Y.Iwasaki: "Quark confinement and Number of Flavors" Nucl.Phys.B(Proc.Suppl.).