1990 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン網目構造(アモルファスから単結晶まで)制御のための化学反応解析
Project/Area Number |
02402021
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
清水 勇 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (40016522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 肇 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (30206271)
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Keywords | 化学アニ-リング / ナロ-バンドギャップ / ステブラ・ロンスキ-効果 / 基板表面反応制御 / 水素化アモルファスシリコン |
Research Abstract |
プラズマにより活性化した化学種(SiHn,SiHnFm)を用い、300℃程度の低温基板上にてSi系網目構造を形成させる際、前駆体の選択、及び基板上での構造緩和過程の化学的制御により、その構造をアモルファス状態、微結晶・多結晶状態、そして単結晶まで制御する。まず、ランダム構造を保持したまま、3次元網目構造の緻密化のための「化学アニ-リング」技術を開発した。すなわち≦20A^^゚厚以上の極薄層を堆積後、H(He^*Ar^*)など活性化学種による化学アニ-リング処理を行う操作を繰返し、膜堆積を行うと、アモルファス構造を保ちつつ、Si網目構造の緩和が促進され、より緻密な構造が得られた。このよにして得られたaーSi:H膜中には、残存水素量1〜5at%、光学ギャップ1.5〜1.65eV、ダングリングボンド濃度、10^<15>〜10^<16>cm^<-3>と、従来のaーSi:H膜と同程度の少ない欠陥を有する。また、網目構造の緻密化により、正孔のドリフト移動度が著しく増加し、光学ギャップ1.65eVの膜で、0.2cm^2/V.S(300゚K)を得た。この値は、従来までに得られているaーSi:Hのドリフト移動度より1〜2桁大きい値である。さらに、特筆されるべきは、基板温度300℃以上で緻密化を行ったaーSi:H膜では、これまでに問題となっていた光照射下での欠陥生成が著しく低減されることである。したがって、化学アニ-リング法は、高安定aーSi:H膜作製技術として期待される。 また、前駆体、SiHnFm、を用いた場合、HFがメディエ-タとなり、堆積表面での長距離構造緩和が300℃程度で起こり、低温結晶成長に利用できることを見い出した。前駆体の付着と、基板上での緩和促進反応を交互に繰返すための反応容器を設計・試作し、同時に、膜形成時の即時観察を行うためのエリプソメトリ-装置を付設し、それぞれを用いて、予備実験を行い順調な成果を得ている。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] H.Shirai: "A Novel Technique Termed "Chemical Annealing" Preparing aーSi:H with More rigid and Stable SiーNetwork" Japanese Journal of Applied Physics. (1991)
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[Publications] D.Das,H.Shirai,J.Hanna and I.Shimizu: "Narrow BandーGap aーSi:H with Improved Minority CarrierーTransport Prepared by Chemical annealing" Japanese Journal of Applied Physics. 30,2B. 364 (1991)
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[Publications] M.Nakata: "Control of nucleation and Growth in the Preparation of Crystals by Plasmaーenhanced Chemical vopour Deposition" Philosophical Magazine. B63. 87-100 (1991)
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[Publications] H.Shirai,J.Hanna and I.Shimizu: "Very stable aーSi:H prepared by "Chemical Annealing"" Japanese Journal of Applied Physics. (1991)
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[Publications] H.Shirai,J.Hanna and I.Shimizu: "Role of atomic hydrogen on the growing surface in Chemical Annealing" Japanese Journal of Applied Physics. (1991)
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[Publications] 清水 勇、半那 純一、白井 肇: "化学反応制御法によるSi網目構造形成" 応用物理, 11 (1990)
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[Publications] 白井 肇、清水 勇: "化学アニ-リングによるシリコン網目構造形成反応制御" アグネ技術センタ-, 8 (1991)