1992 Fiscal Year Annual Research Report
レーザ熱励起による凝縮・蒸発の基礎過程とその分子レベル制御の研究
Project/Area Number |
02402027
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小竹 進 東京大学, 工学部, 教授 (30013642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 茂夫 東京大学, 工学部, 講師 (90209700)
庄司 正弘 東京大学, 工学部, 教授 (00011130)
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Keywords | 凝縮・蒸発制御 / 分子クラスター / レーザ熱励起 |
Research Abstract |
凝縮・蒸発の相変化基礎過程を分子クラスター学的に解明し、熱エネルギーレベルでの励起・脱励起を利用して凝縮過程の制御方法を研究することが本研究の目的であり、金属非金属蒸気の分子線による凝縮とレーザ光熱励起の実験研究を行ってきた。すなわち、レーザおよび電子銃による高融点固体の気体源発生装置および赤外分光装置を組込んだ蒸発凝縮実験装置を制作し、これらの原子・クラスタービームによる凝縮過程をレーザ光により熱励起し、その照射条件と凝縮速度・凝縮相表面構造・質量相成・エネルギー分布の変化の関係を質量分析法、赤外分光分析法を用いて調べた。初年度においては実験装置の制作調整を行い、2年度においては主として金属物質、本年度は非金属物質についての凝縮過程の研究を行い、結果としてつぎのことを明らかにした。レーザ光照射により凝縮速度が変化するが、その影響は金属原子の場合、クラスター化し易いかどうかに大きく依存し、クラスター化し易い原子はその凝縮速度がレーザ光により促進される。また。その凝縮相の構造はより緻密化する。一方、クラスター化し難い原子はレーザ光の照射にほとんど影響されない。非金属原子の場合は、その種類により現象が異なり一般的な傾向を掴むことは難しいが、この場合もクラスター化し易い原子ほどレーザ光照射の影響を受けやすい傾向にあることがわかった。いずれの場合でも、レーザ光の波長が短くなり光エネルギーが高くなるほど、これらの傾向が顕著になる。これは、レーザ照射の凝縮過程への影響はクラスターにおける熱エネルギーの変化というより、原子・分子間ポテンシャルの変化によってクラスター過程が影響されることによるためと考察される。これらのことから、レーザ照射によりクラスター過程を変化して、その熱エネルギー状態および輸送過程を変化し凝縮過程を制御できる可能性がしめされた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Kotoke: "Formation of metal and nonmetal clueters thrsugh laser and electron beam vaporization" Heat and Mass Transfer in Material Processing (edited by Tanaeawa & Lior),Hemispher P.C.107-118 (1992)
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[Publications] 青木 功,小竹 進: "レーザ熱励起による凝縮過程制御の研究" 日本伝熱シンポジウム講演論文集. 29. 736-737 (1992)