1993 Fiscal Year Annual Research Report
階層型ニューラルネットワークによる視覚パターン認識の研究
Project/Area Number |
02402035
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福島 邦彦 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (90218909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 真人 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (90233345)
倉田 耕治 大阪大学, 基礎工学部, 講師 (40170071)
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Keywords | ニューラルネットワーク / 神経回路モデル / パターン認識 / 視覚パターン / 手書き文字認識 / 英数字認識 / 英文筆記体文字認識 |
Research Abstract |
脳の神経回路モデルの研究の結果,筆者は,変形に強いパターン認識システム“ネオコグニトロン"や,パターンを認識するだけでなく切り出したり修復したりする能力のある“選択的注意のモデル"などを発表してきた.この一般研究では,これらのモデルの考え方に基づいた新しい視覚パターン認識システムの設計原理の確立を目指していくつかの研究を並行して進めた. 選択的注意のモデルの考え方を用いた英文筆記体続け文字列認識に関しては,回路規模をさらに拡大したシステムを構成し,従来よりも大きな変形を受けた文字列に対しても正しく認識と切り出しができることを示した. 神経回路の学習手法についても検討を行なった.競合学習によって神経回路を自己組織化させる場合には,回路内の特徴抽出細胞のしきい値を,学習時と学習終了後の認識時とで変化させ,学習時には認識時よりも高いしきい値を選ばないと汎化能力の高い学習ができないことを明らかにした. 従来のネオコグニトロンでは,回路内の個々の特徴抽出細胞は均一な受容野を持っていたが,不均一な受容野を用いることによってパターン認識能力をさらに高めることができることをシミュレーションで示した.たとえば受容野内部の解像力を不均一にして,受容野の周辺部の解像力を中心部の解像力よりも小さくすると,変形パターンを認識する能力を高めることができる.また,受容野内部の感度分布を不均一にするのも有効である.受容野内部の感度を不均一に低下させることによって,抽出したい特徴の形に順応して受容野の形を変化させるたり,あるいは感度を部分的に上昇させることによって,類似した特徴を弁別する能力を高めることも可能になる.
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[Publications] 谷川昌司: "ネオコグニトロンにおける特徴抽出細胞のしきい値設定法" 電子情報通信学会論文誌D-II. J76-D-II. 2215-2222 (1993)
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[Publications] 山内康一郎: "時系列パターン認識のためのネオコグニトロン型学習法の改善" 電子情報通信学会論文誌D-II. J76-D-II. 2223-2232 (1993)
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[Publications] 大野通広: "ネオコグニトロンの誤差逆伝播法による学習" 電子情報通信学会論文誌D-II. J77-D-II. 413-421 (1994)
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[Publications] 庄野逸: "折れ点処理回路を用いた選択的注意機構による英字筆記体連結文字列認識" 電子情報通信学会論文誌D-II. J77-D-II(採録決定). (1994)
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[Publications] Baum,E.B.(editor): "Computational Learning and Cognition" SIAM(Society for Industrial and Applied Mathematics), 276 (1993)
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[Publications] Gielen,S.(editor): "ICANN'93" Springer-Verlag, 1095 (1993)