1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02402045
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鈴木 哲郎 筑波大学, 物理工学系, 教授 (70045988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大嶋 建一 筑波大学, 物理工学系, 助教授 (70109271)
大塚 和弘 筑波大学, 物質工学系, 教授 (50029881)
星野 力 筑波大学, 構造工学系, 教授 (30027130)
武野 正三 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (80027341)
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Keywords | マルテンサイト核生成過程 / 非線型格子振動 / シミュレーション / ゴム状振舞い / ナトリウム単結晶 / 中性子散乱 / 潜状待機期間 / 統計的中らぎ現象 |
Research Abstract |
マルテンサイト核生成過程のシミュレーションと非線型格子振動の解折及び計算機アルゴリズムに関連した研究活動では,二次構造相変態では格子構造変態を伴う格子力学的過程と周囲との熱の出し入れを伴う熱力学的過程とは同時に進行するのに反し,典型的な一次構造相変態であるマルテンサイト変態では,前者の格子力学的過程と後者の熱力学的過程の間にはかなりの時間的遅れがあり得る事に注目し,その大きさの検討を開始した。マルテンサイト合金の中でも特に注目されているものの一つにゴム状振舞いがあるが,これを格子力学的過程と熱力学的過程との間の時間的遅れとしてとらえる立場でどこまで理解できるか検討を開始した。前者の格子力学的過程は,系の全エネルギーを保存する條件で進行する過程で,統計力学よりもむしろ完全に力学的過程として,とらえる事の必要性をあらためて認識した。 合金単結晶試料の製作及びX線散漫散乱に関連した研究では,きわめて結晶度のよいナトリウム単結晶の育成に成功し,この試料についてマルテンサイト核生成過程を中性子散乱及びX線回折により研究した。本研究で得られた著しい成果は,結晶度のよい試料では,マルテンサイト核生成過程に著しい潜伏待機期間が存在する事を確めた事である。この実験事実も,マルテンサイト変態においては,熱力学的過程に先立って,格子力学的過程が進行しなければならない事及びこの過程には統計的中らぎ現象が関与している事を示している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tetsuro Suzuki and Kenichi Tadahashi: "Nucleation Process of Martensite in Small Partide" Materials Transactions,JIM. 33. 184-190 (1992)
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[Publications] Tetsuro Suzuki and Kenichi Osuka: "Role of Higher Order Elastic Modul in Large Elastic Finite Deformation" Japanese Joumal of Applies Physics.