1991 Fiscal Year Annual Research Report
R_2Fe_<14>B金属間化合物の熱間変形と高保磁力発現に関する研究
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02402046
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
梅田 高照 東京大学, 工学部, 教授 (50011078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永山 勝久 東京大学, 工学部, 講師 (80189167)
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Keywords | 希土類型永久磁石材料 / PrーFeーBーCu合金 / 鋳造・熱間加工 / 保磁力 / 粒界相 / Pr_6Fe_<13>Cu金属間化合物 / 反強磁性体 / 永久磁石設計 |
Research Abstract |
新しい永久磁石材料の製造プロセスとして期待されている鋳造・熱間加工型PrーFeーBーCu磁石合金の微細組織制御による高保磁力化に対する指針を得ることを目的として実験を行った。真空溶解・鋳造したPr_<17>Fe_<76>B_<5.5>Cu_<1.5>合金を、加工温度850,950℃でホットプレス(歪速度:1×10^<-3>/s)し、加工後950℃×10h,480℃×2hの2段熱処理を行った結果、最適加工温度は950℃であることを認めた。またこの場合熱間加工に伴う、主相Pr_2Fe_<14>B化合物の著しい粒成長を抑制するため、加工前に950℃×3hの均質化熱処理を考案し、保磁力の向上を得た。上記加工後における2段熱処理についてま、1段目(950℃×10h)はαーFe消失に伴う残留磁速密度Brの向上,2段目(480℃×2h)は保磁力に最も関係すると考えられる粒界相を変化させることを見い出した。すなわち,480℃×2h熱処理前においては粒界部はPrーPrCu共晶のみが観察されるが、熱処理後はこれ以上に従来全く報告のない保磁力向上を誘起すると考えられる新しいPrーFeーCu3元新粒界相の存在を見い出した。新粒界相の組成,結晶構造、磁気的性質を調べるため,この相の単相化を試みた。その結果この相の化学組成はPr30at%,Ge65at%,Cu5at%で結晶構造は空間群I4/mcm,正方晶(a=8、1,C=2、31A^^°)型を有するPr_6Fe_<13>Cu金属間化合物であることをEPMA,X線回折より求めた。さらにVSMによる磁化測定,熱磁測定,メスバウア-分光測定により,新化合物は118℃にネ-ル点を有する反強磁性体であることを見い出した。なおこの新粒界相は熱分析,保持・急冷実験により,645℃でPr_2Fe_<17>+L→Pr_6Fe_<13>Cuの包晶反応することにより晶出することも求めた。 本研究によって、強磁性体と上記反強磁性のカップルによる新しいRーFeーB型磁石の材料設計を明確に示した。
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[Publications] 梶谷 敏之,永山 勝久,丹羽 直毅,梅田 高照: "PrーFeーB系永久磁石材料のプロセッシングと磁性" 東京大学工学部紀要(J.Fac.Eng.,Univ.Tokyo). Aー29. 46-47 (1991)
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[Publications] T.Kajitani,K.Nagayama and T.Umeda: "Micrcstructure of Cu added PrーFe B magnets : Crystallization of antiferromagnetic Pr_6Fe_<13>Cu in the bcundary" Journal of Magnetism and Magnetic Materials.