1990 Fiscal Year Annual Research Report
NaCl型複合炭窒化物の相平衡に関する熱力学的解析
Project/Area Number |
02402047
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西沢 泰二 東北大学, 工学部, 教授 (60005212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
貝沼 亮介 東北大学, 工学部, 助手 (20202004)
大谷 博司 東北大学, 工学部, 助手 (70176923)
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Keywords | NaCl型炭化物 / NaCl型窒化物 / 複合炭窒化物 / 二相分離 / 状態図 / オ-ステナイト / マイクロアロイング鋼 / 相平衡 |
Research Abstract |
本研究は、周期律IVa族(Ti,Zr,Hf)とVa族(V,Nb,Ta)から形成される複合炭窒化物の相平衡を実験的に明確にし、その実測デ-タを熱力学的に解析することによって、炭・窒化物相互の平衡関係を精度よく計算、予測できるデ-タベ-スの作成を目的としており、平成2年度においては、次の様な結果が得られた。 1.(Nb,V)(C,N),(Nb,Ti)(C,N),(V,Ti)(C,N)各系の複合炭窒化物を鉄中に析出させそれを化学的に抽出分離,分析することにより、炭窒化物中での二相分離を実験的に確認した。その結果、各擬2元系には二相分離の出現しない(Nb,Ti)(C,N),(V,Ti)(C,N)系においても、組成領域の中央部に閉じた二相分離領域が現れることなどが確認された。 2.実験的に得られた二相分離の相平衡デ-タを、副格子モデルを用いて熱力学的に解析した。その結果、このような複合炭窒化物における二相分離は、たとえ各擬2元系では全率固溶する場合でも、一つの化合物が他の化合物に較べて化学的にきわめて安定な場合には、広い温度範囲にわたって生成することなどが明らかになった。 3.本研究で得られた熱力学的解析結果を用いて、Nb,Ti,V炭・窒化物相互および固体鉄と炭窒化物間の平衡状態を計算するためのコンピュ-タ-プログラムを作成した。これにより、いかなる組成断面においても複合炭窒化物の挙動をかなり正確にシミュレ-トできるようになった。
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