金属間化合物の高温性能評価とその複合化による高温構造物への適用性向上に関する検討

1990 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 02402048
• Research Institution: Osaka University
• Principal Investigator: 向井 喜彦 大阪大学, 工学部, 教授 (20029044)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 西村 新 大阪大学, 工学部, 助手 (60156099) ; 村田 雅人 大阪大学, 工学部, 助教授 (20030059)
• Keywords: TiAl系金属間化合物 / 溶接金属 / Ti_3Al / 高温酸化 / 高温硫化 / 溶射 / PSZ / 破壊強度

Research Abstract

TiAl系金属間化合物の破壊強度に及ぼす熱処理の影響を検討した結果、TiAl相中にTi_3Alが板状に析出する場合に強度低下が著しくなる。これは、組織的切欠効果による二相効果が表われたものであり、Ti_3Alを熱処理により粒状に析出させることで改善できた。
TiAl系金属間化合物は溶接が可能であるとされている。そこで、EBWを行い、溶接金属部の強度を検討した。その結果、母材に比べて溶接金属部の破壊強度は著しく脆化することがわかった。
金属間化合物の耐食性として、酸性水溶液、高温硫化の試験を行った。共にTiAl相中のTi_3Al部の腐食溶解が著しく層状腐食の様相を呈した。更に、溶接金属部の耐食性を高温硫化感受性で評価した。その結果、母材に比べ著しい耐食性の劣化が認められた。これは、その状態図よりTi_3Alが急冷により室温でも多量に残存したことが原因であると考えられる。また、TiAlの高温酸化特性について実験を行った結果、特に組織の選択酸化性はあまり認められないものの多層の酸化膜構造をもち、その厚い酸化膜の剥離を伴いながら酸化が進行し、更に局部的ではあるが内部酸化も認められ複雑な様相を呈した。その改善としては、PSZとNiCoCrAlYを用いた溶射が有効であるが場合によってPSZのはく離を生じ、現在尚、十分な対策は確立されていない。